Posted January. 12, 2009 07:16,
Updated January. 01, 1970 09:00
海外に長期間滞在して帰国した青少年たちに、国語を效果的に教える方法がある。必須常用漢字をまず身につけさせることだ。韓国語の70%が漢字から来ているため、漢字が分かれば、国語の勉強が一層簡単になる。地図を手に入れれば道をさがすのが簡単になることと同じ論理だ。英語、フランス語、ドイツ語などの欧州圏の言語の語源は、ラテン語から来たものが多い。高級語彙であればあるほどそうだ。ラテン語は、この一帯を長く支配したローマ帝国の公用語だったためだ。米国と欧州の学校は、学生がいくら難しいと不平を言っても、ラテン語教育を外さない。
◆韓国の若者たちは漢字に弱い。長い間、漢字教育を疎かにしたためだ。ソウル大学の入試面接には、「漢字の読み取り」テストがある。あまり難しくない漢字でも、とまどう学生が多いという。漢字を書いてみろと言えば、もっと苦しむだろう。大学を卒業し、就職活動をする若者も大差ない。漢字の実力がこの程度なら、国語理解力もあまり高くないことは明らかだ。ハングル教育が優先だが、だからといって最近のように漢字を排除しては、母国語教育は十分に成り立たない。
◆「漢字盲」は、国益の損失を招く。同じ漢字文化圏である中国と日本の人口だけで15億人にのぼる。韓国は、両国と一方では競争し、他方で協力しながら生きていかざるを得ない。その道具と言える中国語と日本語を流暢に駆使するには、まず漢字が分からなければならない。より重要になり得る相手国の文化を把握し、理解するためにも、漢字は必要だ。
◆目を国内に移せば、韓国の文化遺産は、ほとんど漢字でできている。漢字を知らない世代が多くなり、古典などの韓国の大切な遺産が無用の長物になることは、深刻なことだ。世代間の精神的断絶も大きくなった。歴代の首相20人が、漢字教育の推進に立ち上がったという。漢字を知らない世代を憂う彼らの気持ちは理解できる。「ハングル専用派」と「国漢文混用派」に国民を二分することは、愚かなことだ。両者の接点を見出し、1日も早く国語教育の内実化の土台づくりをしなければならない。
洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com