「行動恐れないで」監視社会巡りネット質疑
監視社会の現状を考えるシンポジウムが4日、東大・本郷キャンパスであり、2013年に米国政府が自国民や他国首脳の通信を傍受・監視していた機密文書を暴露した元米国家安全保障局(NSA)職員、エドワード・スノーデン氏(32)がインターネット通信を通じて、参加者の質疑に初めて応じた。
元職員は、市民らを対象とする大量監視は人権問題と指摘した上で、日本における集団的自衛権の憲法解釈変更や安全保障関連法などを念頭に「漸進的な全体主義が拡大している」と懸念を示した。さらに「行動することを恐れないでほしい。政府が方針変更するまで待っていてはダメだ」と呼びかけた。
シンポは、自由人権協会などが開催。元職員は現在もロシアに一時的に亡命している。【尾村洋介】
【ことば】スノーデン・ファイル
エドワード・スノーデン氏(機密情報漏えい容疑などで訴追、ロシアに亡命)が2013年6月にNSAから持ち出した機密文書。NSAが民間通信事業者などの協力を得て、米国民などを対象に情報収集・盗聴活動をしていた事実を暴露した。