加湿器の水に入れた殺菌剤に有害物質が含まれていたため多くの死傷者が出た問題で、政府は3日、被害者に生活費や看病費を支援する新たな支援策を発表しました。
「レキット・ベンキーザー」の韓国法人は、2001年から2011年半ばまでのおよそ10年間にわたって、加湿器の水に混ぜる殺菌剤として有害な化学物質が含まれた製品を販売していました。これによって肺機能に障害が生じるなどの被害が2011年から報告され、環境保健市民センターの推計では、死者だけで266人にのぼっています。
政府は、被害が報告されてから3年後の2014年5月から、被害者に治療費と葬儀費用を支援してきましたが、今回、新たな支援策として、被害者のうち、1か月の給料が126万ウォン以下の人に対して、来月から5年程度をめどに生活費と看病費を追加支援すると発表しました。
具体的には、被害者の肺機能被害の程度を3段階に分けて、被害が最も深刻な順に、生活費を1か月あたり94万ウォン、64万ウォン、31万ウォン支給する一方、看病費は1日、7万ウォンを支給するとしています。
加湿器殺菌剤による死傷をめぐっては、政府の対応が遅れたうえ、内容も不十分で、これによって被害がさらに拡大したとする批判の声が上がっていました。今回、発表された新たな支援策についても、対応の遅れや生活費の支援対象が最低賃金者に限られていることに批判が強まっています。
政府は、殺菌剤の人体への影響についても改めて調査するとともに、被害認定の範囲を従来の肺の損傷から臓器の損傷や鼻炎などの軽い症状にまで拡大することについても検討するなど、支援を広げていくとしています。