誕生日に自殺する人は他の日の約1.5倍になることを、大阪大の松林哲也准教授(公衆衛生学)らのチームが、厚生労働省の人口動態調査データの分析で明らかにし、4日までに発表した。
チームによると、欧米では、記念日を期待通りに過ごせず孤独感などの心的ストレスが増え、自殺が増加するとする「誕生日ブルー」という仮説がある。
松林准教授は「文化が違う日本でも同じ傾向が示された。自殺の恐れがある人の誕生日が近づいたら、周囲がいっそう注意、サポートをする必要がある」と話した。
チームが1974~2014年の人口動態調査データを分析した結果、自殺や事故で死亡したのは約207万人で、うち約8千人が誕生日に亡くなっていた。このうち誕生日に自殺した人は約4100人で、それ以外の日の平均約2700人の約1.5倍だった。
交通事故や溺死、転落などによる死者数も誕生日に増える傾向があった。
成果は国際科学誌電子版に4月掲載された。〔共同〕