黒柳徹子、『トットてれび』俳優陣を絶賛「涙が出そうになる」

 女優の満島ひかり黒柳徹子の半生を演じるNHKの土曜ドラマ『トットてれび』(毎週土曜 後8:15)。満島だけでなく、森繁久彌役の吉田鋼太郎渥美清役の中村獅童向田邦子役のミムラら出演者の熱演で好評を博している。

 黒柳も取材に応じて「満島さんに私になっていただけて、ドラマになったというのはラッキーだな。こんなことってあるのかしら」と話していた。『徹子の部屋』でも『ザ・ベストテン』でも、テレビ局に対して「正直にやる」ことを求め、自身もそれを貫いてきた黒柳が言うのだから本心に間違いないだろう。

 「森繁さん、渥美さん、向田さん…懐かしい方々が出てくるだけで涙が出そうになるんですけど、役者の皆さんがすごく明るく演じていらしゃるのがいいですね。特に向田さんはよく似ているなぁって。向田さんとはすごく仲良かったんですが、お店で原稿を書いている姿やちょっとした仕草が似ていると思いました」と満足しているようだ。

 原作は黒柳のエッセー『トットチャンネル』、『トットひとり』(新潮社)で、脚本を務めるのは、連続テレビ小説『花子とアン』を手がけた中園ミホ氏。中園氏は、平日昼間に放送される『徹子の部屋』が見たくてOLを辞めたほど、筋金入りの“徹子ファン”でもあり、黒柳の歩み=テレビの歩みに真摯(しんし)に向き合い、的確なエピソードを取り上げて、黒柳が出会った人たちを生き生きと描き出している。

 物語の始まりは、日本でテレビ放送が始まった昭和28年(1953年)。前半の第1話〜第4話(放送済み)では、テレビが家庭に普及していない時代に、NHK専属女優となった黒柳が草創期のテレビの世界を全力で駆け抜けていく“青春編”が描かれた。きょう4日に放送される第5話からの後半では、特に思い出深い大切な人たちとの絆を描いていく。

 第5話では、青春の一時期をともに過ごした親友、向田邦子(『七人の孫』、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』などの脚本家、直木賞作家として知られる)との出会いから別れまでを描く。

 徹子は、邦子のアパートに毎日入りびたっていた。たわいない会話をしながら邦子の手料理を食べる時間は、2人にとって大切な時間だった。時は流れ、邦子は初めて書いた短編小説で直木賞を受賞。徹子は祝賀パーティで司会を務めた。邦子は「おばあさんになった徹子さんを書いてみたい」と言う。しかし翌年、邦子は飛行機事故で世を去る。

 黒柳は「皆さん、すばらしい仕事をして、面白くて魅力的な人たちだったのに、死んでしまっているんだな、と改めて思ったら、死ぬことはあまりこわいことではないのかもしれないな、と思って。こんなすごい人たち皆が通って行ったのだから。ぜひ、このドラマを観て、死ぬのはこわくないと思っていただけたらと思います」となんのてらいもなく話していた。

関連写真

  • 100歳の徹子さん役で黒柳徹子本人も出演中。NHK『トットてれび』 (C)ORICON NewS inc.
  • NHK『トットてれび』第5話(6月4日放送)向田邦子(右・ミムラ)と毎日のように会っていた徹子(左・黒柳徹子)(C)NHK
  • NHK『トットてれび』第5話(6月4日放送)徹子(左・黒柳徹子)は向田邦子の突然の訃報に衝撃を受ける(C)NHK
  • NHK『トットてれび』第5話(6月4日放送)より。『徹子の部屋』第1回のゲストは森繁久彌(吉田鋼太郎)だった

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