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【国際】

北朝鮮高官が北京入り 対中修復、孤立脱却狙う

31日、平壌国際空港を出発する北朝鮮の李洙〓・朝鮮労働党副委員長=共同

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 【北京=城内康伸】北朝鮮外交の司令塔である朝鮮労働党の李洙〓(リスヨン)中央委員会副委員長(党国際部長)が三十一日に北京を訪問し、中国共産党の宋濤(そうとう)党中央対外連絡部(中連部)長らと会談した。中連部によると、双方は両国の関係強化が重要との認識で一致した。北朝鮮には、国際社会の制裁が強まる中、中国との関係改善を通じ、国際的孤立から抜け出そうとの狙いがありそうだ。

 李氏は五月上旬の第七回党大会の内容を説明。双方は「中朝の伝統的な友好関係を重視し、地域の安定的な発展に向け努力すべきだ」との認識を示した。

 会談では、北朝鮮の核問題についても協議したとみられる。ただ、中国は北朝鮮が核を放棄する必要があるとの立場。一方、北朝鮮は核開発と経済建設の「並進路線」を堅持する方針を示しており、双方の主張はかみ合っていない。

 中国は北朝鮮の核実験やミサイル発射を受けた国連安全保障理事会の制裁決議後、制裁を厳格に履行する姿勢を見せている。

 一方で、金正恩(キムジョンウン)氏が党大会で党委員長に就任すると、習近平国家主席は「中朝関係を重視する」と祝電を送り、中朝関係と核問題を切り離す考えを示唆。三十日には、金正恩氏が平壌でバスケットボールの中朝親善試合を観戦したことが報じられ、関係改善のシグナルとの見方が出ていた。

 日米韓は北朝鮮が非核化に前向きな姿勢に転じない限り、制裁を強化する方針で一致するが、中国は制裁一辺倒の対応に否定的。

 李氏は金正恩氏の信任が厚く、五月に死去した姜錫柱(カンソクチュ)元書記の葬儀委員名簿で序列第六位に浮上した。北朝鮮の高官派遣には、日米韓と中国との立場の違いに乗じて、中国から融和的な姿勢を引き出し、制裁局面を乗り切ろうとの思惑があるとみられる。

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※〓は土へんに庸

 

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