【パリ=共同】大雨によりパリのセーヌ川が増水して道路冠水や住宅浸水が相次ぎ、ルーブル美術館は3日、浸水を警戒して7日までの休館を決めた。近郊の流域では洪水が起きており、フランスのメディアによると、3日までに計3人が死亡、観光施設や交通機関への影響が拡大した。
年間900万人が訪れるルーブル美術館では、浸水による損傷を防ぐため、地下倉庫に収蔵した古代エジプト、古代ギリシャの美術品など計50万点余りのうち、約25万点を2日夜から3日までにボランティアらの手で地上階などに移した。木の枠で保護したり補強を施した箱に収めたりして慎重に作業を続けた。
印象派など近代絵画の宝庫とされるオルセー美術館も7日までの休館を決め、収蔵品を館内の安全な場所に移した。
セーヌ川のシテ島にあるノートルダム寺院に近いサンミシェル駅など地下鉄の複数の駅が3日夜から閉鎖され、パリとベルサイユ宮殿などを結ぶ川沿いの近郊鉄道は全面運休となった。
フランスの水害はセーヌ川と西部のロワール川などで相次ぎ、過去1週間に全国で計2万人が避難し、約1万6千戸が停電した。