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総ヒノキでなかった コウヤマキも使用

年代が特定された平等院鳳凰堂の建築用材。中央がコウヤマキ=京都府宇治市で2016年6月3日、富永浩三撮影

 京都府宇治市の世界遺産・平等院は3日、総ヒノキ造りとみられていた鳳凰堂(1053年創建)に、建築用材としてコウヤマキも使われていたと発表した。コウヤマキは奈良時代にはよく使われていたが、平安時代の大型木造建築で科学的に確認されたのは初めて。建築用材の変遷を示す資料だという。

     京都大や国立歴史民俗博物館(千葉県)などが、明治時代の修理で外された3枚の板(長さ約1.3〜2.6メートル、幅約24〜28センチ、厚さ約3センチ)を調べた。

     樹種は光学顕微鏡で細胞を調べ、年代については年輪や年輪に含まれる放射性炭素の濃度などを測定した。3枚は全て創建当初のヒノキとみられていたが、1枚が平安後期(11〜12世紀)ごろ生育のコウヤマキ、2枚が鎌倉初期(13世紀初め)ごろのヒノキと特定できた。瓦の下地に使う野地板とみられ、耐水性のあるコウヤマキを修理に使ったとみている。

     グループの横山操・京都大大学院農学研究科研究員(森林科学)は「コウヤマキは、奈良時代初期〜平安初期にヒノキに次いで多く使われたが、平安中期〜室町期の大型木造建築では使用例がほとんど報告されていない。変遷を明らかにする資料として貴重だ」と話した。

     研究成果は、奈良大で4日に始まる「日本文化財科学会大会」で報告される。【富永浩三】

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