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 事件発生から約4年。北九州市で暴力団排除の標章を掲げたクラブの男性役員が刺された事件で、福岡県警が工藤会系組幹部らを逮捕した。「関係者から供述を得られるようになった」。会見した県警幹部は、工藤会トップらを逮捕した「頂上作戦」後に起きた変化に手応えをにじませた。

 3日午前11時過ぎ、記者会見に臨んだ県警北九州地区暴力団犯罪捜査課の国本正春課長は、事件の背景について「工藤会が繁華街の利権を死守するために犯行に及んだ」と説明。「客観証拠を積み上げたことと、14年9月の『頂上作戦』以降、関係者から協力が得られるようになった」と逮捕に至った経緯を語った。

 県暴力団排除条例の改正で標章制度が始まった直後の12年8~11月、北九州市などでは、標章を掲げる飲食店関係者らが襲われる事件が相次いだ。「次はおまえの番やぞ」。飲食店には相次いで電話もかかった。