オバマ大統領の広島訪問 米メディアも詳しく伝える
k10010538051_201605280607_201605280609.mp4
アメリカのメディアは、オバマ大統領が現職の大統領として初めて被爆地・広島を訪問したことについて詳しく伝えています。
このうち有力紙、ニューヨーク・タイムズは「オバマ大統領が広島への原爆投下について、『人類が自分たちを破壊する手段を手にした』と述べた時のゆっくりとした慎重な言い回しは、大統領が最も重大な発言をする時だけに用いる口調だった」と描写しています。
そして、「オバマ大統領の訪問決断の背景には、日米同盟の強化に取り組む安倍総理大臣に報いたいという思惑もあった。元海兵隊員が逮捕されたことを受けて再び関係は緊張したが、アメリカ軍と自衛隊の連携はますます緊密になっていくだろう」と分析しています。
一方で、「今回の訪問は、歴史問題を巡ってぎくしゃくするアジア地域にさざ波を起こすかもしれない」として、中国や韓国が、日本が戦争で受けた被害を強調しているとして、不満を強める可能性があると指摘しています。
また、有力紙、ワシントン・ポストは「歴代の大統領は、トルーマン大統領が決断した原爆投下に対する謝罪と受け止められることを恐れ、広島を訪れることができなかった。しかし、オバマ大統領とその側近たちは、謝罪ではなく両国の同盟の絆を強調し、核兵器の危険性を訴える訪問とするための機が熟したと判断した」として、今回の訪問を評価しています。そのうえで、「ホワイトハウスはことし12月に真珠湾攻撃から75年の節目を迎えるにあたり、安倍総理大臣が現地を訪れることを歓迎するとしている。ある政府当局者は、安倍総理が来なければ驚きだとまで述べている」としています。
アメリカ国内には、大統領が広島を訪問するならば、日本の総理大臣も真珠湾を訪れるべきだという意見があり、今後、こうした世論が強まることも予想されます。
そして、「オバマ大統領の訪問決断の背景には、日米同盟の強化に取り組む安倍総理大臣に報いたいという思惑もあった。元海兵隊員が逮捕されたことを受けて再び関係は緊張したが、アメリカ軍と自衛隊の連携はますます緊密になっていくだろう」と分析しています。
一方で、「今回の訪問は、歴史問題を巡ってぎくしゃくするアジア地域にさざ波を起こすかもしれない」として、中国や韓国が、日本が戦争で受けた被害を強調しているとして、不満を強める可能性があると指摘しています。
また、有力紙、ワシントン・ポストは「歴代の大統領は、トルーマン大統領が決断した原爆投下に対する謝罪と受け止められることを恐れ、広島を訪れることができなかった。しかし、オバマ大統領とその側近たちは、謝罪ではなく両国の同盟の絆を強調し、核兵器の危険性を訴える訪問とするための機が熟したと判断した」として、今回の訪問を評価しています。そのうえで、「ホワイトハウスはことし12月に真珠湾攻撃から75年の節目を迎えるにあたり、安倍総理大臣が現地を訪れることを歓迎するとしている。ある政府当局者は、安倍総理が来なければ驚きだとまで述べている」としています。
アメリカ国内には、大統領が広島を訪問するならば、日本の総理大臣も真珠湾を訪れるべきだという意見があり、今後、こうした世論が強まることも予想されます。
元米兵の団体「大きな意味があったのでは」
アメリカのオバマ大統領が、現職の大統領として初めて被爆地・広島を訪問したことについて、太平洋戦争中に旧日本軍の捕虜となった元アメリカ兵などで作る団体のジャン・トンプソン会長は、NHKの取材に対し、「オバマ大統領の演説は、多くの点で力強いものだった。特に大統領が被爆者を抱きよせ、ことばを交わす様子は、日本の人たちにとって大きな意味があったのではとないかと思う」と評価しました。
一方、この団体は、当初、広島を訪問するオバマ大統領に同行する意向を示していましたが、ホワイトハウスから招待できなくなったとの通知を受けたとして、訪問を見送っていて、トンプソン会長は「元アメリカ兵のメンバーも招待して欲しかったと思う。そうすれば、アメリカと日本の戦争の歴史のそれぞれの側面を象徴的に示すことができたはずだ」としています。
また、全米で最大規模の「対外戦争退役軍人会」は、オバマ大統領が広島で述べた所感については特にコメントはしないとしたうえで「争いがない世界を築くことは、すべての人々が共有すべき目標ということだ」とする声明を出しました。
一方、この団体は、当初、広島を訪問するオバマ大統領に同行する意向を示していましたが、ホワイトハウスから招待できなくなったとの通知を受けたとして、訪問を見送っていて、トンプソン会長は「元アメリカ兵のメンバーも招待して欲しかったと思う。そうすれば、アメリカと日本の戦争の歴史のそれぞれの側面を象徴的に示すことができたはずだ」としています。
また、全米で最大規模の「対外戦争退役軍人会」は、オバマ大統領が広島で述べた所感については特にコメントはしないとしたうえで「争いがない世界を築くことは、すべての人々が共有すべき目標ということだ」とする声明を出しました。