保坂展人・世田谷区長が指摘「都構想より『区』の権限強化を」
――反対派が僅差で勝ちましたが、市長サイドの物量作戦はすさまじかったですね。
そうです。新聞折り込みは20日連続毎日だし、大阪に弁士として呼ばれて行って驚いたのがCMの量です。宣伝費用は4億~5億円といわれていますが、それで済んだのか。大阪市内だけで双方で数百台の街宣車、1000個単位のマイクが使われたと思います。そうやって、互いにわんわん叫んでいるが、市民には何が問題なのかよく分からない。これまでの選挙戦とは全く違う光景でした。
――国会議員の選挙と違って、街宣車の制限がなくCMの規制も緩いんですよね。改憲の住民投票も似たようなものになる?
そうなるでしょうね。米国の大統領選のように際限なくお金をかける。イメージコントロールの手練手管が雌雄を決する。そういう意味での練習でもあったわけです。これまでも住民投票はありましたが、多くは米軍基地反対など、政府に対して批判的な住民サイドから仕掛けたもので、法的拘束力も明確にはなかった。権力側が仕掛け、カネをかけると、かくも選挙戦は様変わりする。