教科書をタブレット端末などに収めた「デジタル教科書」について、文部科学省の専門家会議は2日、2020年度から紙の教科書と併用する形で導入するとした中間まとめ案を公表した。
デジタル教科書を使った授業では指導力の差が大きく影響する可能性があるとして、教員のICT(情報通信技術)活用力の向上を求めた。学校内の端末やネットワーク環境整備の重要性も強調した。
デジタル教科書は現在、副教材として位置づけられている。中間まとめ案は小学校で次期学習指導要領が実施される20年度から正式な教科書として導入することが望ましいと指摘。内容は紙の教科書と同じとし、当面は紙を基本に用い、部分的にデジタルを使う。
中長期的にはデジタルを主教材とすることも考えられ、情報科が必修となっている高校は先行導入しやすいとした。
教員の指導力に関しては大学の教員養成課程や教育委員会での研修を通じた取り組みが必要だと強調。デジタル教科書を複数の子供で使うことは適当ではないとして1人1台の整備を求め、トラブルに対応する態勢も重要だとした。専門家会議は16年末までに最終報告をまとめる。