デジタル教科書 4年後めどに全国の学校に導入へ
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子どもたちがタブレット端末などを使って動画や音声を活用しながら学ぶことができる「デジタル教科書」について、文部科学省の有識者会議は、4年後をめどに全国の学校現場に導入する方針を決めました。
デジタル教科書は、通常、紙の教科書で教えている内容を、タブレット端末などを使って教えるもので、動画や音声を使うことで英語のヒアリングなどに活用できるほか、文字や図を大きく表示する機能もあり、障害のある子どもなどに細かい配慮ができるといったメリットがあります。
このデジタル教科書の導入について検討してきた文部科学省の有識者会議は、2日に開かれた会議で、4年後をめどに全国の小中学校と高校に導入する方針を決めました。デジタル教科書は、当面は紙の教科書と併用して使い、部分的にデジタル教科書だけでの教科の履修も認めるということです。
有識者会議は、デジタル教科書を使った授業を行うには、児童や生徒に1人1台、タブレット端末などを用意することを想定していますが、紙の教科書と同じように無償で配布するのは財政面などから難しく、保護者が費用を負担する可能性があるということです。
有識者からは「保護者に対しても方針を説明していくべきだ」とか「デジタル教科書が導入されて指導方法が多様化していくことを教員に説明することが必要だ」といった意見が出ていました。
有識者会議は年内に最終報告をまとめ、導入に向けた準備を進める予定です。
このデジタル教科書の導入について検討してきた文部科学省の有識者会議は、2日に開かれた会議で、4年後をめどに全国の小中学校と高校に導入する方針を決めました。デジタル教科書は、当面は紙の教科書と併用して使い、部分的にデジタル教科書だけでの教科の履修も認めるということです。
有識者会議は、デジタル教科書を使った授業を行うには、児童や生徒に1人1台、タブレット端末などを用意することを想定していますが、紙の教科書と同じように無償で配布するのは財政面などから難しく、保護者が費用を負担する可能性があるということです。
有識者からは「保護者に対しても方針を説明していくべきだ」とか「デジタル教科書が導入されて指導方法が多様化していくことを教員に説明することが必要だ」といった意見が出ていました。
有識者会議は年内に最終報告をまとめ、導入に向けた準備を進める予定です。
最新のデジタル教科書展示会も
デジタル教科書の導入が進むのを見込んで、教科書会社などの間ではデジタル教科書向けのコンテンツや端末の開発が進んでいます。
2日は、東京・江東区でIT技術を使った教育現場向けの教材や端末などの展示会が開かれ、13の教科書会社が大型ディスプレイを使った電子黒板やタブレット端末に取り込んで使うデジタル教科書を披露しました。
このうち、中学生の英語用のデジタル教科書の展示では、英語の聞き取りの勉強をする際に役立つことなどがPRされ、端末を操作することで自分のレベルに合わせて英文の速さを調節できることなどが紹介されています。
また、小学生の理科のデジタル教科書では、立体的な画像で表示したチョウやクワガタの姿を360度回転させることができ、昆虫の体全体の特徴を見ることができるようになっています。
さらに、CGのアニメーションを使って人が歩くときの骨の動きを見せながら、人体の骨格について学ぶという内容のものも展示されています。
展示会に来ていた東京都内の高校の教員は「紙の教科書に比べて、より生徒の興味関心をひき、深く学ぶことができると思うので、教え方を研究したいです」と話していました。
展示会を主催した企業の担当者は「デジタル教科書の開発は年々、各社が力を入れて取り組んできていますが、国が学校への本格導入を決めたことでその傾向がより加速し、市場が広がると思います」と話していました。
2日は、東京・江東区でIT技術を使った教育現場向けの教材や端末などの展示会が開かれ、13の教科書会社が大型ディスプレイを使った電子黒板やタブレット端末に取り込んで使うデジタル教科書を披露しました。
このうち、中学生の英語用のデジタル教科書の展示では、英語の聞き取りの勉強をする際に役立つことなどがPRされ、端末を操作することで自分のレベルに合わせて英文の速さを調節できることなどが紹介されています。
また、小学生の理科のデジタル教科書では、立体的な画像で表示したチョウやクワガタの姿を360度回転させることができ、昆虫の体全体の特徴を見ることができるようになっています。
さらに、CGのアニメーションを使って人が歩くときの骨の動きを見せながら、人体の骨格について学ぶという内容のものも展示されています。
展示会に来ていた東京都内の高校の教員は「紙の教科書に比べて、より生徒の興味関心をひき、深く学ぶことができると思うので、教え方を研究したいです」と話していました。
展示会を主催した企業の担当者は「デジタル教科書の開発は年々、各社が力を入れて取り組んできていますが、国が学校への本格導入を決めたことでその傾向がより加速し、市場が広がると思います」と話していました。
導入の現場では 課題はどこに
東京・荒川区は、いち早く、区立のすべての小中学校にタブレット端末を配備してデジタル教科書を活用した授業を始めています。
東京・荒川区の尾久小学校では、3年前から1人に1台ずつ児童にタブレット端末が配備され、1年生から6年生まですべての学年の授業で活用されています。この日は、3年生の算数の授業で割り算を教えるのにデジタル教科書が活用され、はじめに教員が電子黒板を使って、「6つのあめ玉を2人に等しく分ける」ことを題材に、アニメーションを使って割り算の考え方を説明しました。
続いて、児童たちが割り算の問題を自分で作る課題に挑み、専用のペンを使ってタブレット端末に問題文を書き込んでいました。書き込んだ内容は電子黒板に一度に表示することができて、全員でそれぞれの回答を見比べて意見を交わしていました。
女子児童の1人は「問題文を作るのは初めてでしたが、楽しかったです。書いたことを電子黒板でみんなに見せられるところもいいと思います」と話していました。
荒川区は、区立のすべての小中学校にデジタル教科書を導入するための費用、およそ31億円を、全額、区の予算で賄いました。タブレット端末は1台で数万円前後かかり、端末に取り込む教科書のソフトにも費用がかかります。
文部科学省によりますと、タブレット端末などの配備は全国的にはまだ進んでおらず、去年3月の時点では、平均で6人に1台程度だということです。文部科学省は、1人に1台ずつ端末を用意して教えることを想定していますが、紙の教科書と同じように無償で配布するのは財政面などから難しく、保護者が費用を負担する可能性があるとしていて、今後、費用の補助など対策を検討することにしています。
東京・荒川区の尾久小学校では、3年前から1人に1台ずつ児童にタブレット端末が配備され、1年生から6年生まですべての学年の授業で活用されています。この日は、3年生の算数の授業で割り算を教えるのにデジタル教科書が活用され、はじめに教員が電子黒板を使って、「6つのあめ玉を2人に等しく分ける」ことを題材に、アニメーションを使って割り算の考え方を説明しました。
続いて、児童たちが割り算の問題を自分で作る課題に挑み、専用のペンを使ってタブレット端末に問題文を書き込んでいました。書き込んだ内容は電子黒板に一度に表示することができて、全員でそれぞれの回答を見比べて意見を交わしていました。
女子児童の1人は「問題文を作るのは初めてでしたが、楽しかったです。書いたことを電子黒板でみんなに見せられるところもいいと思います」と話していました。
荒川区は、区立のすべての小中学校にデジタル教科書を導入するための費用、およそ31億円を、全額、区の予算で賄いました。タブレット端末は1台で数万円前後かかり、端末に取り込む教科書のソフトにも費用がかかります。
文部科学省によりますと、タブレット端末などの配備は全国的にはまだ進んでおらず、去年3月の時点では、平均で6人に1台程度だということです。文部科学省は、1人に1台ずつ端末を用意して教えることを想定していますが、紙の教科書と同じように無償で配布するのは財政面などから難しく、保護者が費用を負担する可能性があるとしていて、今後、費用の補助など対策を検討することにしています。