米中対立が韓国に飛び火、韓国人WTO委員の再任に米国が反対

米中対立が韓国に飛び火、韓国人WTO委員の再任に米国が反対

 韓国の外交当局者は最近、世界貿易機関(WTO)の上訴機関、上級委員会で委員を務める張勝和(チャン・スンファ)ソウル大法学専門大学院教授の再任に対し、米国が反対する理由の把握に頭を痛めている。ある当局者は「韓米の通商関係自体が冷え込んでいる状況ではないため、韓国をけん制するための動きだという説明は説得力を欠く」と話した。

 韓国政府は外交ルートを総動員した確認作業の結果、ある結論に達した。米国が中国をけん制するため、張委員を象徴的なターゲットにしたとの見方だ。すなわち、対中貿易赤字に苦しむ米国が中国をけん制する過程で、WTOに不満を抱き、任期が満了した張委員をスケープゴートにした格好だ。WTO上級委員会は通商紛争の二審に相当する組織で、委員7人で構成される。委員の任期は4年であり、WTOの紛争解決機関の加盟国全体が同意すれば、1回の再任が認められている。つまり、米国が反対すれば再任は不可能だ。

■米中対立が飛び火

 米国は張委員が関与した判決で米国に不利な結果が出たことに不満を抱いているとされる。特に中国は2014年、米国を相手取り起こした訴訟で、中国側を支持したことが大きな影響を与えたもようだ。当時米国は中国政府が企業に補助金を支給し、輸出価格を引き下げたとして、中国製品の相殺関税を適用したが、中国は米国の措置が不当だとして提訴した。

 近く韓国製洗濯機に対する上訴手続きが行われることも一因に挙げられる。米国は昨年4月、WTOの紛争解決機関小委員会で行われた韓国製洗濯機に対する反ダンピング審理で敗訴した。小委は米国が13年、韓国製洗濯機に9-13%の反ダンピング関税を適用した点をWTO協定違反だと判断した。米国は決定を不服としており、張委員が再任されれば、判決に関与する可能性もある。これに関連し、通商分野の専門家は「米国は韓国人が判決に関与することを嫌っているのではないか」と指摘した。

金承範(キム・スンボム)記者
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