韓国の家計債務、1−3月の増加幅過去最高(朝鮮日報)
韓国の輸出に赤信号、経常収支黒字が3分の1に(朝鮮日報)
 韓国銀行(中央銀行)によると、韓国の家計債務は3月末に1223兆7000億ウォン(約113兆7000億円)で、昨年末に比べ20兆6000億ウォン(1.7%)増えた。増加幅は1−3月としては過去最高だった。これまでの最高は2015年1−3月(13兆ウォン)だった。

 特に預金銀行よりも相互金融、セマウル金庫、相互貯蓄銀行など非銀行金融機関(ノンバンク)による家計向け融資が大きく増加した。増加幅20兆6000億ウォンのうち、預金銀行による融資は5兆6000億ウォン(27.2%)で、残る15兆ウォン(72.8%)はノンバンクによる貸し出しだった。家計が貯蓄銀行、保険会社、クレジットカード会社などノンバンクから借り入れた資金は銀行の2.7倍に上った。ノンバンクの貸出金利は銀行よりも高いため、家計債務の質は悪化することになる。

 韓銀は「銀行の与信審査強化などで、銀行の審査をクリアできない家庭がノンバンクを訪ねたとみられる」と分析した。韓国政府は今年2月から銀行の住宅担保ローンの所得審査を首都圏で強化した。
(引用ここまで)
 韓国銀行によると、4月の経常収支黒字は33億7000万ドルで、3月(100億9000万ドル)の3分の1に落ち込み、昨年4月(77億3000万ドル)の半分に満たなかった。月次ベースでは2014年1月(18億7000万ドル)以降で最低だった。(中略)

 輸出不振の影響で、産業生産も停滞している。統計庁がこのほど発表した4月の産業生産は、前月を0.8%下回り、3カ月ぶりのマイナスとなった。造船受注残高が急減し、造船業が90%を占める「その他輸送設備」の生産が前月を12%下回った。

 これは世界的な景気低迷で世界の貿易が縮小する中、中国などライバル国に追い上げられたためとみられる。外部環境は当面改善が見込めないため、韓国の輸出体質の改善が急がれるとの指摘が出ている。

 世界貿易機関(WTO)によると、今年1−3月の世界71カ国の相互貿易額は6兆9450億ドルで、前年同期(7兆5260億ドル)に比べ7.7%減少した。第1四半期の世界の貿易額が6兆ドル台に落ち込んだのは、2010年(6兆4480億ドル)以来6年ぶりだ。

 世界の輸出で3.5%を占め、国内総生産(GDP)に占める輸出の割合が半分を超える韓国は、世界貿易の縮小による影響を直ちに受ける。1−3月の韓国の輸出減少幅(13.3%減)は、アジアでシンガポール(14.4%減)、インドネシア(14.0%減)に次いで大きかった。経済協力開発機構(OECD)は先月16日に発表した韓国経済に関する報告書で、「輸出依存度が高い韓国経済の特性上、世界貿易の回復が遅れることは、韓国経済の持続的成長にとって最大のリスク要因だ」と警告した。
(引用ここまで)

 内需は家計負債が増え、さらに借金の質も悪化。例の不動産投資規制によるものです。
 外需はついに輸入を減らすことが限界点に達して、一気に経常収支が収縮。
 内憂外患ってヤツですか。

 韓国の1-3月期の成長率は上方修正されて0.5%になりましたが、それでもまだ年率換算で2.0%。
 韓国の経済規模でこの状況はよろしくない。
 まあ、外から見てみれば労働人口も減少して人口ボーナスが終了してもいるので当然ではあるんですけども。

 韓国銀行は先月、今年の成長率を3.0%から2.8%に下方修正しましたね。
 まだ2.8%の成長ができるつもりでいるという傲慢さに驚きを禁じ得ないのですが。
 IMFは去年の10月には3.2%と予測していて、今年の1月には2.9%、今年の4月には2.7%へ下方修正。
 通常、IMFはそれぞれの国の中央銀行の予想変更を受けてから予測を変更するものなのですが、韓国銀行が予測を変更しないのに業を煮やして先んじて変更するという異例の対応をしていましたっけ。

 さて、この下方修正された成長率予想が当たるかどうか、ちょっとだけ検証してみましょうか。
 韓国の去年の成長率は2.6%。
 しかも、史上最低金利によって不動産バブルを膨らまし切った状態でこれでした。
 で、この事実を踏まえた上で、韓国政府・韓国銀行による2015年の成長率予測(2014年の当初予測)を見てみましょうか。

 韓国政府は4.0%。
 韓国銀行は3.9%。 

 さて、あたりますかね?

韓国はなぜ危機か
韓国経済新聞
中央公論新社
2016-06-08