不明当日から発見施設に…水だけで過ごす
3日午前7時50分ごろ、北海道鹿部町の陸上自衛隊駒ケ岳演習場内の施設で、5月28日から行方不明となっていた北斗市追分4の小学2年、田野岡大和さん(7)が6日ぶりに見つかった。道警函館中央署などによると、訓練のため訪れた隊員が演習場内の宿泊施設で発見した。大和さんには軽い脱水症状が見られたが、命に別条はないという。発見現場からドクターヘリで市立函館病院に運ばれ、両親が本人と確認した。
同署などによると、大和さんは5月28日の夜から1週間、演習場内の宿泊施設で水だけで過ごしたという。また、同病院によると、大和さんは低栄養状態で、両腕と足に軽いかすり傷があるといい、そのまま同病院に入院した。
発見場所は、行方が分からなくなった七飯(ななえ)町の山中から6〜7キロ離れている。
同署によると、発見場所は訓練の際に自衛隊員が寝泊まりなどする建物の中。同演習場内の宿泊施設で、隊員が施設のドアを開け、中に入ると、男の子がいたため、「大和君かい」と声をかけたところ、「そうです」と答えた。しっかりと受け答えはできていた。半袖姿のうえ空腹でのどが渇いている様子で、隊員が持っていたおにぎりとお茶、衣類をあげたという。今後、同署などが詳しい事情を聴く方針。
演習場にはゲートがあるが、周囲は柵で覆われておらず、立ち入りができるという。
大和さんは28日午後5時ごろ、両親と姉の家族4人で鹿部町の公園に車で遊びに行き、帰宅中に七飯町の林道沿いの山林で1人置き去りにされた。家族は当初、山菜採りの途中ではぐれて行方が分からなくなったと説明していたが、その後、父親(44)は「公園で人や車に石を投げつけたため、しつけの意味で置き去りにした」と説明を翻した。
父親は車で数百メートル走った後、歩いて約5分後に戻ったが、大和さんの姿はなかったと話しているという。【遠藤修平、澤俊太郎、袴田貴行】