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 川向こうに1軒の農家と小さな畑。そこへ行く道や橋はない。人目を忍ぶような里の名は「百夜月(ももよづき)」。かつて花が咲き乱れた伝説の日本の集落から、最後の住人が逝って5年。今もその名に魅せられ、訪ねる人や思いを寄せる人がいる。

■かつては十数戸

 初めてその地名を聞いたとき、童話に出てきそうな美しさが頭に残った。地図にも載っていない。一体どんなところなのだろう。