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【社会】

ヘイトデモ禁止仮処分 対策新法の「差別」と認定 地裁川崎支部決定

 川崎市内で在日コリアンらの排除デモを繰り返す男性に対し、同市川崎区の社会福祉法人が男性によるデモの禁止を求める仮処分を申し立て、横浜地裁川崎支部(橋本英史裁判長)が二日、法人の事務所から半径五百メートル以内でのデモを禁じる決定を出した。男性側は法人がある地域で五日にデモを予定していたが、市が公園使用を許可せず、現在は同市中原区でデモを計画している。

 この法人は、在日コリアンが多い同市南部で民族差別をなくす活動を進める「青丘社」(川崎区桜本)で、二日に記者会見して明らかにした。

 決定では男性の行為を、三日施行されるヘイトスピーチ(憎悪表現)対策法が定める差別的言動に当たり、人格権を侵害すると認定。男性が第三者に同様の行為をさせることも禁じた。橋本裁判長は排除デモについて「国外出身者への差別意識を助長する目的で、公然と生命や身体、自由に危害を加えると告知しており、著しい侮辱だ」とした。

 法人側代理人の神原元弁護士によると、ヘイトスピーチの禁止命令は、二〇一三年に京都地裁が朝鮮学校の半径二百メートルで街宣を禁じたのに続き二例目。神原弁護士は「新法(対策法)が規範として使われるとは。歴史的な決定だ」と評価した。

 男性側は一日、神奈川県警中原署にデモに伴う道路の使用許可を申請し、県警が可否を検討している。 (小形佳奈)

 

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