ねずみ小僧次郎吉の忘れ形見に扮した浅野ゆう子さんが、大阪松竹座で七変化! 共演に村上弘明さん、宇梶剛士さん、有森也実さん…とお茶の間でお馴染みの顔ぶれが揃った痛快娯楽時代劇
『七変化 ねずみ小僧捕物帳』が6月1日大阪松竹座にて開幕します。

浅野ゆう子、ねずみ小僧他、七変化にてお魅せ申しあげます!
豪華! 痛快!
本格時代劇が久々の大阪松竹座登場!
(公演情報より)
まがったことが大嫌いで、実はねずみも苦手
(!)な、主人公の“夏(なつ)”を演じる
浅野ゆう子さんに、本作へかける意気込みをお訊きしてまいりました。
◆【いろいろな“浅野ゆう子”をお見せしたい】
物語の舞台は、幕末から明治時代。正義感が強く、男勝りで、まがったことが大嫌い、もちろん“泥棒”であるねずみ小僧のあとを継ぐ気などまったくない夏ですが、父の名を語る「二代目ねずみ小僧」なる偽者が江戸に現れたことから、ある陰謀に巻き込まれていくことに…。浅野) 夏のキャラクターが私のイメージに近い? そうですか? いえいえ、私はここまで正義感も責任感も強くありません(笑)。夏は年齢の離れた妹を親代わりになって育てたり、長屋の人たちの世話をしたりと、とても面倒見の良い女性。そのために自分が経営する古道具屋で偽物を高く売りつけたりもしているのですが(笑)、基本的には正義感の強い、かっこいい女性です。(脚本・演出の)齋藤雅文先生は、これまでにもご一緒したことがあり、私のことをよくわかってくださったうえで「浅野ゆう子にこれをやらせてみよう」という思いを込めて、たくさんの挑戦のある“ものすごい本”を書いてくださいました。いただいた本を読み「私にあて書きをしてくださったんだ」と役者冥利につきる気持ちと、「女優として試されている」という思いが同時にこみ上げてきました。はたしてこの挑戦をちゃんと乗り越えられるのか。今はまだ楽しみと不安とが半々の状態です。
【女優としても、体力的にも挑戦となる“七変化”】
タイトルのとおり、浅野さんがみせる“七変化”も見どころのひとつ。テレビ、舞台でも大ヒットとなった『大奥』の瀧山役を再びみせてくれるほか、夜鷹やドレス姿、さらに“7歳の夏”役など、七役に挑戦。言葉も江戸弁、大阪弁、京都弁とさまざま。さらにねずみ小僧が変装するという設定だけに、衣裳の早替りで舞台の裏を走り回ることになりそうだとか。
浅野) 7人分の想像を広げることができる、とてもやり甲斐のある作品。それぞれの役に自分が近づいて、演じていきたいですね。…といっても基本的には全部“夏”なんです。“浅野ゆう子”ではなくて、“夏”が演じている七役なんですね。ぜんぜん違う七役を演じるだけならかえってやりやすいかもしれませんが、ひとりの人物が七役を演じるところに難しさがあります。7歳役を演じることが話題になりましたが(笑)、それも“いまの夏”が、夢のなかで“子供時代の夏”を見ている設定。夢を見ながら、7歳の夏に「あんた子どもじゃないの」って自分でツッコミを入れたりして、ちょっとややこしい(笑)。もちろん扮装の違いで「あ、違う役だな」とわかってもらうのが手っ取り早いのですが、それだけではなく、夏であることを踏まえた上で、気持ちをそれぞれの役に持っていく、その演じ分けを見ていただければ。
プライベートでフラメンコのレッスンに通うなどアクティブなスポーツウーマンのイメージがある浅野さんですが、インタビュー中にはこんな驚き発言も。役者が舞台に上る前に、それぞれ行うストレッチなどの“ウォーミングアップ”。実は浅野さん、これまでこの“アップ”をしたことがなかったとか…!浅野) 「アップなしで、よく大丈夫ですね」と言われるんですが、大丈夫だったんです。“これまで”は(笑)! アップなしでも声も出てからだも動く人だった。でも今回ばかりは、舞台の裏を走り回って、毎日ほぼ2回公演「体力の限界まで、心して演じなければ!」という作品ですので…とりあえず、スクワットから体力づくりを始めています。楽屋入りもいつもより早めにして、“アップ”も必要になりそうですね。これまで映像を中心に経験を積んできましたが、最近は年に一度は舞台に立たせていただいています。ある程度、年齢を重ねた今、女優としても、体力的にも新たな挑戦をさせていただけることがとても嬉しいんです。今回の芝居を乗り越えられるかどうかで、数年後にまた大阪松竹座で公演させていただけるかが決まると思っております(笑)。
【故郷・関西での公演への思い】
6年ぶりとなる大阪松竹座での座長公演。歴史のあるこの舞台に、もう一度立ちたかったと語る浅野さん。念願が叶い、楽屋入りするのが楽しみな日々が続きそうと声を弾ませます。浅野) 私は神戸の出身ですので、関西は故郷、特別な場所。普段、関西弁を使うわけではないのですが、関西人の心は忘れたくない、ずっと持ち続けていたいと思っています。だから大阪松竹座での公演は「帰ってきた!」という気持ちがとても強い。そして帰ってきた私をお客さまに受け入れていただけるかどうかが、私にとっての賭け、勝負です。大阪のお客さまは良くも悪くもとても厳しいですから…。そんな気持ちを知ってか知らずか、齋藤先生が本当にすごい本を書いてくださって。七変化に、歌に踊りに…日舞のお師匠さんの役ですが、実際に踊るのは洋舞(笑)。明治時代だからなんでもありなんです。本を読むだけなら楽しいのですが、演じるとなると、これは大変だな、と。ただ私も小さな頃から、松竹新喜劇や吉本新喜劇を見て、笑いというものに馴染みながら育ってきたと思っていますので、大阪のお客さまの厳しい目で見ていただき、楽しんでもらえれば役者として本望。そのために、とことん演じて、走り回るつもりでいます。私、藤山直美さんのお芝居が大好きで、よく拝見しているんです。もちろん私なんか足元にも及ばない、ものすごい方で、役者としてのタイプも違うかもしれませんが、少しでも近づきたいというか…あそこまで動いて、舞台の上でいっぱい汗をかいて、というあの芝居をやってみたいと思うんです。走り回って、舞台の上で倒れてもいいかな、と思っています。
【やっぱり時代劇っていいね、と喜んでいただきたい】
浅野) 時代劇って、ほんとうに作り甲斐がある。誰もその時代を実際に見たわけではないので想像が膨らみますし、どんなにデフォルメして演じようと“嘘”ではないんですね。特に今回はコメディテイストもふんだんに取り入れているので、どんどん想像が広がり、演じていて楽しいです。共演者のみなさんも素晴らしくて、まるで金太郎飴のようにどこを切っても美味しい、どのキャラクターに自分を置きかえても楽しめる作品になっています。幕府転覆を企む旗本役の宇梶さんの極悪人ぶりも素敵です。どうして腹筋しないんだ! と客席から声がかかるかもしれません(笑)。それから有森さんがみせる“女のこわさ”もおもしろいですし、夏と協力することになる与力・織部役の村上さんは立廻りがとにかく美しいと評判です。それになんといっても二枚目で素敵ですから、女心をくすぐる魅力があると思いますよ。私自身も出来上がりをみるのが待ちきれないくらいで、お客さまにもきっと「とにかく楽しかった!」「時代劇ってやっぱりいいね」と言っていただける作品になると思います。いえ、ぜったいに楽しんでいただける! と自信を持ってお伝えしたいと思いますので、ぜひみなさま劇場に足をお運びいただければ嬉しいです。
◆【大阪松竹座六月特別公演『七変化 ねずみ小僧捕物帳』6月1日(水)から19日(日)までの上演です!】