雲仙・普賢岳の大火砕流から25年で追悼式典

雲仙・普賢岳の大火砕流から25年で追悼式典
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43人が犠牲となった長崎県の雲仙・普賢岳の大火砕流から3日で25年となり、地元の島原市では犠牲者を追悼する式典が行われます。
平成3年6月3日に長崎県の雲仙・普賢岳で発生した大火砕流では、地元の消防団員や住民、それに報道関係者など43人が犠牲となりました。
大火砕流から25年となる3日、島原市では午前10時から犠牲者を追悼する式典が行われ、遺族の代表などが哀悼のことばを述べて犠牲者を悼むとともに、熊本地震の犠牲者にも祈りをささげます。また、噴火災害に伴う集団移転でできた団地や、亡くなった消防団員を悼む慰霊碑の前に献花台が設けられるほか、地元の小中学校では児童や生徒が噴火災害を体験した人の話を聞く会が開かれます。そして、大火砕流が発生した午後4時8分に市の全域にサイレンが鳴らされ、遺族や市民が黙とうします。
大火砕流から25年となり、地元でも記憶の風化が進む一方、普賢岳の山頂付近には当時の一連の噴火活動でできた溶岩ドームが今も不安定な状態で残っていて、大雨などで崩壊するおそれがあると指摘されています。災害の教訓をどう伝承し、新たな危険にどう備えていくか、改めて考える一日となります。

全国の火山活動は

気象庁によりますと、国内にある110の活火山では、ここ数年も噴火が発生するなど、各地の火山に活動の高まりが見られ、現在も全国12の火山に警戒を呼びかける「噴火警報」や「火口周辺警報」が発表されています。

気象庁によりますと、長崎県の雲仙岳では平成8年の噴火を最後に噴火は発生していませんが、その後も各地の火山で噴火が発生しています。
おととしからことしにかけては、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山や、熊本県の阿蘇山、鹿児島県の桜島や口永良部島それに諏訪之瀬島、長野県と群馬県にまたがる浅間山、神奈川県の箱根山、新潟県と長野県にまたがる新潟焼山などで噴火が発生しています。
また、噴火が発生したり、火山性地震が増えたりするなど、火山の活動に高まりが見られるとして、現在、全国の12の火山に「噴火警報」や「火口周辺警報」が発表されています。
噴火などが発生した場合の具体的な対応を示す「噴火警戒レベル」も、最も高いレベル5が口永良部島に、レベル3が桜島に、レベル2が東北から九州の7つの火山に出されています。
気象庁は、噴火警報や火口周辺警報が発表されている火山については、警戒範囲に近づかないようにするとともに、警報が発表されていなかったり、噴火警戒レベルがレベル1の火山についても、過去に噴火を繰り返してきた活火山であることを踏まえ、気象庁や自治体が発表する情報などに注意するよう呼びかけています。