与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム（ＰＴ）座長の稲田朋美自民党政調会長は８日、福井市内で福井新聞のインタビューに応じた。北陸新幹線敦賀以西ルートの財源確保について「超低金利の財政投融資を充てられる仕組みを検討したい」と強調した。整備新幹線を含むさまざまな公共事業を、日銀のマイナス金利政策を生かして進める議論を党内で始める考えで「夏までに一定の方向性を出したい」と述べた。
―与党検討委が中間取りまとめで国土交通省に調査を求めた３ルートの見解は。
「小浜・京都ルートは、１９７３年の整備計画で小浜付近を通って大阪までとなっており、しかも京都という観光メッカを通るので、シンプルかつ良い案。舞鶴経由ルートは、参院議員の西田昌司委員長（京都選挙区）が推しており、山陰につなぐ意味では国土強靱（きょうじん）化の側面もある。米原ルートは費用が少ないメリットがあるが、米原駅で乗り換えなければならず、サンダーバードやしらさぎをどうするのか、という問題もある」
「３ルートには、いろんな人の思いが入っている。路線延長、概算事業費、需要見込みなど、いろんな観点から検討することに意味がある」
―財源をどう確保するかが課題になる。
「マイナス金利活用のスキームの一つとして整備新幹線の財源を検討していくことは十分にあるし、党内で議論を始めたいと思っている。財政投融資で貸したお金はプライマリーバランス（基礎的財政収支）に影響しない。鉄道局を中心に検討させている」
―中間取りまとめでは、関西国際空港への延伸は北陸新幹線と別の場で議論するとしている。
「個人的には絶対につなげた方がいいと思っている。ただ、整備計画は大阪までなのに、関空までとなると、調整が難しい。まずは大阪までしっかりやるのが現実的だ」
―小浜・京都ルート実現に向け、福井県が取り組むべきことは。
「北陸３県が、心を一つにして要請活動をしていくことがとても重要だと思う。北陸と中京圏のアクセス向上を図る意味でも大切なことだ」