■アベノミクス相場の産物である「上場ゴール」の象徴、gumi(東1:3903)の主幹事証券である野村証券の担当者が、今年3月の人事で事実上左遷されていることが分かった。gumi公開時、渋谷支店長であった福田和之は、公開後の27年3月に京都支店長に異動、ところが28年3月に同支店お客様相談室長へと降格人事が行われた。
■野村証券において、京都支店は「大店(おおみせ)」と呼ばれ、営業畑にとっては出世コースだ。現CEOの永井浩二も平成13年から15年まで支店長を務め、役員に昇格した。野村不動産HD社長の沓掛英二も京都支店長を経験している。
■関係者によると、今回の人事はgumi公開が結果として「上場ゴール」として非難されるような事態となった事に加え、主幹事を大和証券から奪い取った際に、野村とgumiの間でバリュエーションを高めに見積もる“密約”を結んでいた、というコンプライアンス上の問題が明らかになったからだという。
■野村証券はgumiの失敗について、これまで「個別の事案云々」と対外的な言及を避けてきたが、今回の人事で同社の姿勢を垣間見ることができた。
(文中敬称略)