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【天安門事件から27年】人民解放軍の戦車に両足を踏みつぶされた民主活動家、方政氏 「天安門事件をユネスコ記憶遺産に」

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人民解放軍の戦車に両足を踏みつぶされた民主活動家、方政氏 「天安門事件をユネスコ記憶遺産に」

天安門事件から27年更新

 中国人民解放軍が学生らによる民主化運動を武力弾圧した1989年6月の天安門事件から、4日で27年を迎える。事件当日、天安門広場付近で戦車にひかれて両足を失い、現在は米国で天安門事件の国連教育科学文化機関(ユネスコ)記憶遺産への登録などに取り組む民主活動家の方政氏(49)がこのほど初めて来日した。当時の中国の学生たちが運動にかけた思いや現在の中国の人権状況について聞いた。(原川貴郎)

--習近平体制下の中国の人権状況をどうみているか

 「中国の人権状況は間違いなく退歩し続けている。人権派弁護士の一斉検挙や、高瑜氏のような改革派ジャーナリストに対する逮捕や重い判決などは、習近平が人権を厳しく抑圧していることを示している。中国の自由空間はさらに狭まっており、香港も例外ではない。香港の言論の自由も脅威にさらされている」

--香港では、天安門事件の犠牲者の遺品などを展示する「六四(天安門事件)記念館」が閉館されるという

 「香港は事件当時もそうだが、その後も中国の民主化に、非常に大きな役割を果たしてきた。だから、中国共産党は香港を特に重視し、あらゆる手を尽くして香港の自由な制度を壊そうとしている。香港は中国の民主化の最前線であり、灯台だ。毎年香港で行われる六四の記念行事の規模は非常に大きいし、香港の自由な環境と政治的な影響は、中国本土から訪れる数千万人規模の観光客を通じ、本土にフィードバックされる」

 「ゆえにこの2年あまり、中国共産党は、メディアの再編成などを通じ、香港世論の自由を圧迫している。(中国共産党体制を批判する書籍を出版、販売する)香港の銅鑼湾書店関係者の拘束・脅迫などもあって、香港はどんどん萎縮している。香港の若者たちは『一国二制度』にいよいよ懐疑的になっており、中国共産党のコントロールと干渉から脱却する必要があると考えている」

--香港の旧宗主国である英国も、中国の人権問題を脇に置いて、経済関係を最優先させているようだ