2016年6月1日21時05分
北村哲也さん(31)は交際中、子を持つことに消極的だった。周囲の勧めで精子を凍結保存したものの、同じ病気になるのではと恐れたからだった。「それでも子どもが欲しい」。妻の強い思いがうれしくて、覚悟を決めた。
12年12月にセンターの医師とやりとりした夫婦は、「猶予はできた。勝手に廃棄されることはないだろう」と安心し、2人で精子の移管先を探し始めた。
インターネットや友人からの情報を頼りに、20件超の施設に問い合わせた。ようやく受け入れ可能な大阪市内の診療所を見つけたのは、結婚直後の15年3月末。翌月、弾む思いでセンターに問い合わせた。折り返しの電話で「液体窒素が溶けているようだ」。理解できなかった。隣にいた妻は、声を上げて泣いた。
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朝日新聞社会部
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