Atari

『ポン』や『E.T.』など数々のレトロゲームで知られるATARIブランドから、新たな「家庭用ハード」が登場すると発表されました。ただしAtari2600(写真)などの系列に連なる家庭用ゲーム機ではなく、様々な家電やスマートデバイスを相互に接続する、いわゆるスマートホーム系の機器とのこと。

IoT、いわゆる「モノのインターネット」分野での活躍が目覚ましいフランスのワイヤレス通信企業Sigfoxとのコラボレーションにより、全世界において幅広い機器の展開が予告されています。

SigfoxはIoT向けに低消費電力広域ネットワーク(Low Power WAN, LPWAN)を提供しており、今年1月には南極のプリンス・エリザベス基地において研究者の位置のトラッキングや、氷に取り付けたセンサーからのデータ収集などのサービスを開始したことも報じられた企業。同社のネットワークには現状では18カ国と700万以上の機器が接続され、いずれ10億単位のモノを繋げるシームレスな環境を構築中と謳っています。

ATARIは全世界に、とくに古参のゲームファンに親しまれたブランドを、SigfoxはIoTソリューションを提供するこのコラボですが、その狙いはやはりコンシューマー市場。具体的な製品などに関してはまだ未定ですが、予定するラインナップは「とてもシンプルなもの」から「高度に洗練されたもの」まで幅広く、モノがどこにあって現在はどんな状態かが簡単にわかる方法を提供するとのこと。

初期に予定される商品カテゴリだけでも家電やペット関連、ライフスタイルやホームセキュリティ関連までと多岐にわたります。特徴はLANへの接続やペアリングの必要もなく、使用を開始すれば同社のグローバルなネットワークに直結される点が挙げられています。

要するに具体的な商品は今の時点では明かされておらず、まだまだ漠然としている状態、というのが実情です。

そもそも現在のATARIは、企業としては初代のATARIとは別もの。1970年代にノーラン・ブッシュネルが設立して『ポン』や『ブレイクアウト』などのビデオゲームや家庭用ゲーム機のAtari2600を送り出した会社は、ゲーム化した『E.T.』の大失敗ほかの不調が重なって、Atari GamesとAtari Corporationに分割。その後どちらも別会社に買収され、現在のAtariは一時期後者の親会社であったInfogrames Entertainmentが改名したものです。

Atari

しかし、そうした40年以上の紆余曲折を経ながらも、ATARIブランドと「ゲーム」とは切っても切れない縁があります。業務用ゲームもあれば家庭用ゲーム機もあり、携帯型ゲーム機ATARI Lynx(電池を含めて約700g)もあれば、最近では100本の古典ゲームを最新ハードに移植したAtari VaultやLGBT向けソーシャルゲーム『Pridefest』もあり。

IoT畑でもムカデの家屋への侵入を『センチピード』っぽく表示したり、『ミサイルコマンド』風のUIで蚊をレーザーで撃墜したりといった形で、ATARIブランドが有効活用されるかもしれません。
ATARIブランドが家庭用機器で復活。ただしゲーム機ではなく、スマートホーム系IoTデバイス
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