理由2:アメリカの景気後退(リセッション)の余波で開催中止になる?
東京オリンピック開催決定後の世界経済および日本経済は、原油価格の大幅下落でパニックになってしまいました。
中国経済の成長鈍化、ヨーロッパではシリア難民問題、いずれもすぐには解決できそうにない難題が相次いで出てきています。
それもあって、アメリカは追加利上げができない状況にまで追い込まれています。
そもそもアメリカはなぜ今のタイミングで利上げを急ぐのか。それは2017年から2018年にかけて景気後退(リセッション)局面に陥るとされているからです。
これに関してはIMFもそうですが、JPモルガン・チェースなどの金融機関も警鐘を鳴らしています。
FRBとしては、来る景気後退(リセッション)に備えるために、いまのうちに金利を持っておきたいということなのでしょう。
もう二度とQEと呼ばれる量的緩和政策には踏み切りたくないFRBは、景気後退(リセッション)に対して、中央銀行本来の金利政策、すなわち利下げで対処したい考えであることから、どうしてもここで利上げをしておきたいのでしょう。
東京オリンピック開催直前に、アメリカ経済はかなり厳しい状態に追い込まれている可能性があるのです。当然、日本市場は対岸の火事どころか、もろに大きな影響を受けることになると思われます。
投資家がリスク・オフとなれば、株は売られ、円が買われることになるでしょう。
理由3:「日本売り」のトリプル安で東京五輪どころではなくなる?
もっとも、円高については別の見方もあります。日本の構造改革が進んでいない、いわゆるアベノミクス第3の矢(民間需要を喚起する成長戦略)が不発に終わることで、「日本売り」が加速することも予想されるのです。
一部のマーケット関係者の間では、構造改革がすすまない日本に失望しての日本売り、すなわち日本株売り・債券売り・円売りのトリプル安を想定する人もいます。
そうなると、もう日本はオリンピックどころの騒ぎではなくなります。
海外投資家がアベノミクスに期待しているのは、なんといっても第3の矢「成長戦略」です。その絶対的な後押しをするはずのTPPが怪しい雲行きとなってきました。いまのアメリカ大統領候補者は、こぞってTPPには反対を表明しています。
TPPあっての成長戦略というところもあり、海外勢は、ますます日本経済の先行きに不安を感じているようです。