強制動員:東南海地震で死んだ朝鮮人二人に日本政府の補償・謝罪求める

強制動員を「日本のために志願して仕事をした」かのように装う
市民団体が6月1日に日本の謝罪を求める記者会見開催

 1944年12月7日に熊野灘で発生した東南海地震の際、徴用で死亡した勤労挺身(ていしん)隊の女性二人を、「三菱の航空機の製品増産」のため仕事をしていて亡くなったかのように偽って報じた当時の新聞が発見された。

 「勤労挺身隊のおばあさんと共に歩む市民の会」(以下、市民の会)によると、植民地時代に名古屋の航空機製作所へ強制動員された勤労挺身隊員6人が東南海地震で命を落としたが、最近、これを「日本のために死んだ」かのように装った新聞が発見された。亡くなったのは光州・全羅南道出身の女性で、いずれも10代。

 当時総督府の機関紙だった『毎日申報』は、1944年12月24日付の紙面で、6人の少女のうち二人について地震発生当日も製品の増産のため仕事をしていて殉職したかのように紹介している。

 記事は「(光州で)国民学校を卒業した若い少女たちからなる女子挺身隊(中略)一同は、去る6月12日に勇躍光州駅を出発した」という内容で始まる。

 続いて「(二人は)三菱航空機○○工場にて『飛行機』増産に昼夜の別なく奮闘していたところ、去る7日に思いもかけぬ事故のため作業場にて殉職した」「(二人は)隊員の中でも模範的で、第4分隊長として責任感の強い少女と評判だった」と報じた。

 さらに同紙は「(二人は)国民学校を優秀な成績で卒業し、女子挺身隊員に志願して加わった」「二人は殉職するその瞬間までも、飛行機増産のためもっと活動できないことを悔しがり、旋盤の前を離れなかった」と伝えた。

 当時、工場では強制動員された朝鮮の女性勤労挺身隊員6人が逃げ遅れ、建物の下敷きになって命を落とした。『毎日申報』は12月23日から二日間、二人の死を宣伝のために活用した。

 「市民の会」の関係者は「二人の少女は、地震が発生した当日まで現場で強制労働させられていたことが証明されたにもかかわらず、当時日本の新聞は、二人の死を『日本のために働いて殉職した』かのように装っている」と語った。

 さらに「紙面を通して、朝鮮の少女たちが地震で犠牲になったことが証明されたが、日本は『当時、厚生省の年金に加入していなかった』という理由で、いまだに補償はおろか一言の謝罪もない。日本の謝罪と韓国政府の強力な対処を求める記者会見を、6月1日に開く予定」と付け加えた。

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