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非正規雇用4割 「氷河期世代」の支援を

 パートや契約社員、派遣社員など非正規雇用の社員が初めて雇用労働者全体の4割に達した。2014年の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」でわかった。「アベノミクスによって雇用は100万人以上増えた」と安倍晋三首相は主張するが、増えているのは賃金が低く身分も不安定な非正規社員だ。

     安倍政権が発足する前の12年4〜6月期と15年同期の比較でも、雇用者数全体は121万人増えているが、その内実は非正規社員が178万人増え、正社員は逆に56万人減っているのだ。

     安倍首相は好景気のため働いていなかった人がパートで働き出し、定年後に非正規で働く高齢者も増えていると主張する。たしかに60歳を過ぎても希望者を雇用する義務を企業に課したことでパートの高齢者は増えているが、正社員の減少は企業側の都合で起きている面が大きい。

     企業が非正規社員を雇用する理由で最も多いのが「賃金の節約」だ。有効求人倍率(8月)は好景気を反映して1・23倍と二十数年ぶりの高水準だが、正社員に限れば0・76倍と1倍を下回っており、狭き門であることに変わりはない。

     特に、30〜40代の非正規社員が増えていることを看過してはならない。1993〜02年ごろの就職氷河期に学校を卒業した人々は条件の良い就職先がなく、非正規の職を転々としてきたケースが少なくない。

     賃金が低いだけでなく、社会保障の不備も問題だ。非正規社員は雇用保険の加入率65・2%、健康保険52・8%、厚生年金51・0%で、いずれも99%台の正社員と大きな差がある。経済的な理由や生活の不安のため結婚や出産を断念する人も多い。

     「氷河期世代」の非正規社員は150万人(結婚している女性を除く)とも言われ、すでに40歳を超え始めた。少子化につながっているだけでなく、いずれ無年金のため生活保護を受給するようになれば、社会的負担は膨らむばかりだ。この世代の雇用の改善を急がねばならない。

     一方、今回の実態調査で、企業が非正規社員を雇用する理由のうち「正社員を確保できない」が前回調査(10年)の17・8%から26・1%へ増えた。企業側に正社員雇用の意欲があっても、必要な人材が不足していることがうかがえる。

     非正規社員の30%は正社員に変わりたいとの希望を持っている。政府は「正社員転換・待遇改善実現本部」を設置し、経済界に正社員化を求めている。企業向けの「キャリアアップ助成金」制度も始めた。

     ただ、正社員化を進めるためには、現実のニーズに合った公的職業訓練や人材育成策がもっと必要だ。

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