ボールハンドリングの技術はバスケットボールにおいて重要な意味を持つ。ハンドリングはシュート、パス、ドリブルという、ボールを扱う基礎的な3種類のプレイの根底にある技術だ。正しくボールを扱うことができないために、多くの選手が望んでいるプレイを実現できず、ミスを自分の手で作り出してしまっている。
とにかくボールに慣れて感覚を手になじませる、感じを自分のものにするというのはボールハンドリングの正しい上達の仕方だ。しかしそれにも効率的なやり方がある。ここではボールハンドリングの正体に触れ、正しいボールの扱い方と、自分の家でもできる練習方法を、動画や画像を交えてわかりやすく説明する。
なぜ肝心なところでミスをしてしまうのか、頭に思い描く、するべきプレイを実現できないのか。手が小さいと悩んでいる選手もいるだろうが、誰でも努力によって正確なハンドリングを手に入れることはできる。あなたがボール扱いのミスに悩んでいるのなら、この記事はあなたを救うヒントになるだろう。
効果抜群のボールハンドリング上達法
ボールハンドリングとはなんだろう?
ある程度バスケットボールをやっていれば、選手のハンドリングがいい、悪いというのは見てわかる。しかしそれがどういうメカニズムにのっとっているのかを理解する人はそれほどいない。個人の生まれつきの器用さやセンスだけが大事だと思っているのならそれは勘違いだ。ハンドリングは純粋な反復練習によって上達する技術だ。
選手がボールを扱うプレイをするときには3つの段階がある。
1.キャチする
2.ボールを保持し続ける
3.ボールを手放す(パス、シュート、ドリブル)
ボールハンドリングは、この3つの領域にまたがる。ドリブルをついている時でさえも、この1~3を繰り返してボールを弾ませている。つまりパスもシュートもドリブルも、正確性がボールハンドリングの巧みさに大きく影響される技術なのだ。プレイする限り、ボールハンドリングに完成形や終わりはない。
ボールハンドリングの基本的な考え方
ボールハンドリングを練習するにあたって、3つのことが頭に入れておくべき重要なポイントとなる。
まず、手のひらは自然に無理のない範囲で広げる。力まずにできる範囲で手を広げる。
テーブルのような台を想像して欲しい。支える足は一本よりも三本の方がいいし、その三本も中央に集中するのではなく、それぞれが可能なかぎり広い範囲に散らばっている方が安定する。
ボールをコントロールするときにも、重さを支える点の数が多くて広いほど、安定的なボールコントロールが実現できる。
次に、手のひらにボールを預けすぎてはいけないこともしっかり覚えておいて欲しい。次の画像を見てみよう。
赤の円で囲ったところにボールが触れるときは、指と指の付け根にボールを保持する感覚があることを重視すること。柔らかく動かすことができず、細かい力を伝えることも難しい手のひらだけでボールを扱うことは安定性を欠き、とっさのときにボールを素早く離しづらい。
指の根元あたり、水色の円で囲ったあたりの感覚を大切にしよう。ここは指の力やコントロールを支え、安定性の確保に貢献できる場所だ。手でボールに回転をかける感覚も、この部分にボールが乗るかどうかで大きく変わってくる。
最後に、ボールハンドリングというのは原則的に、ボールが身体の芯に近ければ近いほど、強力な保持と適切なコントロールが可能だということを忘れないで欲しい。身体から離した状態、つまり腕を大きく伸ばした状態でボールを強く保護して操ることは難しいことだ。初めは身体の近くで、そして徐々に身体から離れたところでも上手くコントロールしていけるようになろう。
まずは頭に入れたい3つの約束
1.指を広げて持つ
2.手のひらにボールを預けすぎない
3.体の近くから徐々に、遠くでもコントロールできるようにする
両手でボールを持ってみよう
まずは実際にボールを持ってみよう。床に置いたボールに対して、両手の親指と人差し指で三角形を作り、そのまま抑えて上から持ち上げる。このとき三角形はなるべく小さくしない。左右の手が近すぎるとボールが安定性を欠く。指は柔らかく広げる。手首が自然に返せて、かつ最もボールの安定を感じられる場所を探すこと。基本的にボールを貫く直径の始点と終点を感じ、ボールの中心を意識できるようにボールを持てば良い。
ボールを自分の頭上に両手で高く掲げる。小指側の手の側面が床ではなく、なるべく正面を向くように。そしてそのまま、ボールを回転させることなく、小指側の手の側面が正面を向いたままの状態でボールを胸まで下ろす。前腕の小指側の筋肉が伸びてほんの少しだけ突っ張る感じになる。ボールをしっかり保持している感覚があることが大切。ボールを持つ位置を変えづらくなるので、脇を締めすぎないように。
この状態が身体のミドルラインにボールがあるときの基本的な形だと考える。両手でボールを持っている間は、ボールを動かしても小指側を身体が向いている方向に向け続けると良いという考え方もある(肘を張る)。小指側を下に向けてしまうと、ボールを手放す際のモーションが増えるだけでなく、上下方向からのディフェンスのスナップに弱くなりミスが増えるからだ。ボールをなるべく身体の芯から離すことなく、腕を伸ばしきらずに保持すること。
また、実際にディフェンスがついてプレッシャーを受ける状況では、ピボットを踏みつつ身体のミドルラインではなく、サイドでボールを保持することになる。例えばミドルラインのボールを腰の右で保持しようと動かせば、左手は側面からボールを下支えする形で動き、右手は親指が左手の親指よりも手前側に来る形でボールの表面をスムーズにさすって回り、手のひらの密着感が強くなるという考え方が良いと思う。左手側では逆になる。
キャッチの原則
キャッチもボールハンドリングの一部だ。手に少しでもボールが触れた瞬間から、ボールを操ることへのチャレンジは始まっていると考えよう。
ボールをキャッチする場合は、胸の周辺に向かってくるボールがとりやすい。片手だけのキャッチになったり、腕を目いっぱい伸ばしてとるようなキャッチだとファンブルの可能性が増え、次の動作に移るまでのタイムロスも生じやすくなる。胸の中心へのパスならば、強いボールが来ても肘のクッションや両手を使える。
パスの進行方向に、自分の身体を入れることができればボールを手中にしやすいだろう。キャッチでは手でボールを追うのはもちろん、足を動かして身体でボールの正面を捕まえることが重要になる。パスの行方に手だけではなく身体全体を反応させるために、バスケットボールでは機敏なフットワークが必要になる。
正確に素早く攻撃する中で、強いパスをキャッチする必要が生まれてくる。手のひらをパッサーに向け腕を軽く伸ばし、親指と人差し指で三角形を作ってボールを迎え入れる準備をしよう。速いパスが来ると腰が引けたり、上半身をカチカチに前傾させて手に強い力を入れてしまいがちだが、上半身をしっかり立てて、おわん型にリラックスさせた手で柔らかくボールを迎え入れよう。
参考記事:ボールキャッチの注意点と、ミート時のストップによる有利不利のこと
両手でボールを扱うことで、正確なボールハンドリングに近づく。ただゲーム中は片手でボールを受け止めたりパスしたり、ニュートラルなボールをコントロール下に置いたりといったことを、十分な体勢が整っていない状態で行うことも想定される。そこで片手でも、身体から離れた位置のボールでも、できるだけ上手くコントロールするためにボールハンドリングのドリルに取り組んでいくといい。
家の中でもできるハンドリング練習の動画
ボールハンドリングの練習は基本的に家で一人でも実施できることから、自主練習として継続的に計画的に取り組みやすい。以下の動画はボールハンドリングの基礎的な要素が多く詰まっているものだ。まずは正確さを大切に、そしてスピーディにできるように訓練していこう。スタンスは肩幅程度に、ヘッドアップしてボールを見ないようにして行う。
ハンドリングドリルには色々な形がある。動画の中ではボディサークルという身体の周りをボール回しするものや、股下でのキャッチを練習するものがあるが、ボールを「動かして」「放して」「キャッチ」という動作を可能な限り素早く、難しい状況で行っていこう。完璧に行うことを目指すが、いくつかミスをしてしまう程度の難しさが望ましい。左右均等に行えるように頑張ろう。
片手でお手玉をしたり、両手で複数のボールを次々と放ってキャッチしては放ることもできる。数を増やして挑戦してみよう。背面や股下から放ってから前でキャッチしたり、左右の手を入れ替えてのキャッチに挑戦してみる(クロスキャッチ)。床にボールを転がして進んだり、誰かと組めるなら背中合わせになって上下左右でボールを手渡しする。
肩を良く動かして身体から遠いところでボールを上手く扱うことは、良いパスを出すためにも大切だ。背面から前に向かって片手で放ってみるエクササイズもいい。下の記事は肩周りの筋肉の柔軟性をアップさせる上で参考にしてほしい。
参考記事:肩甲骨の超重要なストレッチで、痛みもパフォーマンスも劇的に改善
練習を難しくするために、自分の部屋以外では歩きながら、駆け足で走りながらドリルを行ってみよう。前後左右にステップを踏んで行ってもいい。軍手やゴム手、スーパーのお惣菜コーナーのビニールなどを手につけて行うと、いつもよりはっきりとボールを扱おうとするため効果的な練習になる。
最後に、ハンドリングを良くする方法とは、感覚の開発なのだということを忘れないでいてほしい。何を何回やった、というような量的な指標よりも、どれだけの集中力で、どれだけ身体の感覚を感じ取りながら、その感覚と親しくなっていくかということが、細かいハンドリングの鍛え方のポイントなのだ。
ドリブルも自分の感覚と親しむようにやってみよう。
これらは自宅の部屋でできる練習だ。3分間の空き時間さえあれば、自分のハンドリング技術を向上させてミスを減らすことができる。ボールを扱う技術を正しく身につけることで、全てのプレイの質を驚くほど改善することが誰にでも可能だ。この記事を参考にして基礎を見直し、自分の技術をぐんぐん伸ばしていこう。
参考記事:ファンダメンタルの正体が判明! 「バスケは基礎が大事」の意味は?
参考記事:バスケのドリブルテクニックを劇的に上達させる、練習方法とコツ
