出社前、慌ただしい朝のひととき、すんなりと答えられない問いを毎朝投げかけられる。
「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」
BS日テレで再放送されている、「アンパンマン」のオープニング。やなせたかし作詞の「アンパンマンのマーチ」だ。
歌は、「こたえられないなんて、そんなのはいやだ!」と続く。
ドリーミングの楽しげな歌声を聴きながら、考える。ぼくは、どのように生きるべきなのだろうか。いまやっていることは、人生において、本当に意義のあることだろうか。不惑を前に、惑う日々。
ぼくは、考えながら家を出る。
「なにが君のしあわせ、なにをしてよろこぶ」
2番での問いかけは、さらに胸をえぐる
さらに、「わからないままおわる、そんなのはいやだ!」と続く。
1番の問いと同様に難しい質問だ。自分の幸せとは、心から楽しいと思えることは何か。家族との時間か、仕事での成果か、趣味で楽しむことか。わからないまま終わる人生を想像し、絶句する。
故人となったやなせたかしの問いは、今もなお、ぼくの心を強く揺さぶる。
アンパンマンは、子どものヒーローだ。しかし、子どものためだけのものではない。人は、何を大切にし、いかに生きるべきかを問うている。
その問いの答えを探すのもまた、人生なのだと思った。
出社して、自席で牛乳を飲み、アンパンをほおばりながらそんなことを考えた。
さぁ、仕事だ、がんばろう。