消費税増税の再延期で財政赤字は拡大する一方だが、金利が低い限り大した問題ではない。かといってインフレにもならないので、政府債務は増え続ける。それはもはや緊縮財政で解決できる規模ではないというのが、大方の経済学者の見方だ。
これは幕末とよく似ている。当時も各藩の債務は年収の2~3倍で、年貢は増えないので財政破綻は必至だった。このため「武士の家計簿」をつけたような経理担当者が出世し、きびしいリストラが行なわれた。
人口の5%程度の(年金生活者のような)武士がGDPの30%以上を家禄として食いつぶすことが財政危機の原因だったので、家禄を取り上げる秩禄処分が廃藩置県の目的だった。彼らを解雇するとき家禄は公債に交換されたが、その金利は年間29銭で、大工(45銭)より低く、土方(24銭)とほぼ同じだった。
特権階級だった武士の大部分が解雇され、土方なみの所得になるリストラがほとんど大きな反乱もなしに行なわれたのは、武士にもはや失うものがなかったからだ。そこに到達するまでに徳川幕府は200年かかったが、今の日本経済はあと20年ぐらいでそうなるかもしれない。
続きは6月6日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。
これは幕末とよく似ている。当時も各藩の債務は年収の2~3倍で、年貢は増えないので財政破綻は必至だった。このため「武士の家計簿」をつけたような経理担当者が出世し、きびしいリストラが行なわれた。
人口の5%程度の(年金生活者のような)武士がGDPの30%以上を家禄として食いつぶすことが財政危機の原因だったので、家禄を取り上げる秩禄処分が廃藩置県の目的だった。彼らを解雇するとき家禄は公債に交換されたが、その金利は年間29銭で、大工(45銭)より低く、土方(24銭)とほぼ同じだった。
特権階級だった武士の大部分が解雇され、土方なみの所得になるリストラがほとんど大きな反乱もなしに行なわれたのは、武士にもはや失うものがなかったからだ。そこに到達するまでに徳川幕府は200年かかったが、今の日本経済はあと20年ぐらいでそうなるかもしれない。
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