弁護士 猪野 亨のブログ

　ウヨク勢力にとっては衝撃の数字かもしれません。
　少々、古いですが、各国の世論調査で、「国のために戦う」かどうかについて、日本は最低の11％という結果が出たというのです。
「「国のため戦う」日本最低　パキスタンや越が高率」（47NEWS2015年3月18日）
　「各国の世論調査機関が加盟する「ＷＩＮ―ギャラップ・インターナショナル」（本部スイス・チューリヒ）は１８日、「自国のために戦う意思」があるかどうかについて、６４カ国・地域で実施した世論調査の結果を発表、日本が１１％で最も低かった。」

　ここでいう「国」というものも実はくせ者です。国＝政府だったりするからです。
　戦前は、国体でもあったわけですが、「国」という言葉も普通に使われていました。
　同期の桜
　「みごと散りましょう、国のため」

　安倍氏らは「郷土」という言葉にすり替えることもあります。愛国心という場合の国も政府のことを指します。

　祖国という言い方もされることがあります。社会主義国がよく使うように思います。
「大祖国戦争」（スターリン政権のソビエト）

　いずれにしても日本国民は、「国」のために戦う気持ちはありません。
　最初から「何のために？」という疑問符がついているからだと思います。日本本土が侵略されるなどということは考えてもいないし、実際にもそのような可能性もありません。そうなると誰のために戦うことになるのということにならざるをえないからです。

　自衛隊が文字通り「専守防衛」でしたら、家族のために戦う、そこには自分も含まれると思いますが、そうであればかろうじて「私たちのため」の戦いになります。
　しかし、現実は戦争法制によって、ことごとくそのような前提が見事なまでに葬り去られました。

　とはいえ11％という数字はウヨク勢力にとっては危機的な状態です。その後、海外派兵と戦闘行為が行われることになった自衛隊への志願者が激減していくことは当然の結末でした。
「自衛隊の志望者がなお激減中　自衛隊はかつての自衛隊ではない」
　先の11％という数字も戦争法制ができる前だったからその程度の数字で済んでいるのでしょうが、自衛隊が守る対象としているものは戦争法制によって日本本土、そして私たちではなかったということが白日のものとなりました。国民ではなく、単なる国益、そして米国の利益を守るための軍事力が自衛隊ということが明確になったのです。

　もっとも今の若い人たちは、そもそもきつい仕事ですら敬遠傾向にあります。
「今時の若者は～　は間違い？」

　背景には拝金主義と労働蔑視の傾向が強まったことがあります。格差社会の中で、努力が報われるでもなく、他方で最初から従来の生産性の高さから、それほど働かなくても飢えることはないため、どこの先進国でも似たり寄ったりの状況が生まれています。
　もともと時代の流れは軍隊を担う人材など育ちにくい状態にあるのです。

　だから安倍自民党政権は、道徳教育だ、愛国教育だ、などと声高に叫んでいるのです。
「愛国心って何だろう？　要は「国のために死ね！」ということ」

　教育と言っても座学だけでその精神を植え付けることには限界があります。
　その先にあるのは何か、言わずと知れた徴兵制です。
　極右の稲田朋美氏は、総理の座を狙っているようなのですが、その稲田氏が若者を自衛隊に体験入隊させるべきなどと述べているというのです。
「ポスト安倍・稲田朋美が「男子も女子も自衛隊に体験入学すべき」！ 過去には「国に命をかける者だけに選挙権」発言も」（リテラ）

　恐ろしい極右の人たちが今の安倍氏の取り巻きであり、ポスト安倍を狙っているのです。
　こんな恐ろしい時代にしてしまっていいのですか。
　私たちは、平和憲法のもとで、平和を享受することの大切さを学び、それを後世に伝えていく責任があります。
　安倍自民党政権をこのまま継続させてはなりません。


ブログランキングに登録しています。
クリックをお願いいたします。

にほんブログ村

人気ブログランキングへ

関連記事

• 産経新聞が噛みつく野田聖子氏　小躍りする安部氏、南シナ海への艦隊派兵だ (11/22)
• 大阪維新の会が府知事、市長選挙で当選とは残念な結果　もっと批判の声を上げよう (11/22)
• 当然の数字と言ってもいい、「国のため戦う」日本は最低の11％　平和憲法の重要性を語り継ごう (11/22)
• 「特攻で死んだのは犬死に」遺族の前で言える？　「英霊」と言うことこそ侮辱だ (11/21)
• 特攻による死の強要は「無駄死に」そのもの　いやアジア・太平洋戦争で死んだ日本人はみな「無駄死に」だ (11/20)