緩和ケアのおはなし
場所は、「まちかど保健室」という所。
実は、高齢者の「認知症」などの方とその家族を対象とした、相談施設。
そこで毎月1回、がんについてのお話しがあるのだ。
当然のことながら、参加された方はご高齢者の方ばかり。
おそらく、最年少参加者だったのでは?という気がしている。
何故そんな場所で、がんのお話し会があるのか?不思議な気はするのだが、高齢者になればなるだけ「がん罹患者が増える」ということを考えると、それなりの意義があるのでしょう。
ところで「緩和ケア」というと、どのような状況で受ける医療だと思いますか?
20年前までは、「がんの終末期医療」という位置づけでした。
今は「がん告知の時から受ける心のケア~患者さんが亡くなられた後のご遺族のケアまで」になっています。
これはWHOなどが決めていることなので、世界的な治療基準だと思ってよいと思います。
ただ残念なコトに、日本では「緩和ケア」の認識が、20年前とほとんど変わっていない、という現状があります。
特に最近では「がん患者家族は、第二の患者」として、問題になってきているにも関わらず、専門医自身も十分な理解にまで至っていないことや、「家族も患者と一緒に頑張る!」という、日本特有の社会文化があるため、辛い治療を続けている患者の姿を見ている家族自身も、一緒に辛い思い(ほかにも経済的な辛さも含めて)をしている、というのが現状です。
その家族に無理な頑張りをさせるのは、患者の友人・知人だけではなく、このような時にだけ登場する患者の(遠い)親戚だったりするので、人間関係でも悩まれる家族が多くいらっしゃるのです。
そのような悩みも含めて「ケアをする」のが、「緩和ケア」なのです。
当然ですが、「緩和ケア」の担当医となられる方は、外科医であっても「スパルタな主治医」とは違うタイプのドクターです!
もう一つは「緩和ケア」そのものは、今やがん患者とその家族を対象としているのではなく、神経疾患の難病と言われている「ASL(「筋萎縮性側索硬化症」)」なども、「緩和ケア」を必要とする病気である、とされているようです。
これから「緩和ケア」の対象となる病気は、増えてくるかもしれませんね。
登壇された先生は、顔ぶれをご覧になって随分お話しを変えられたのか?高齢者にやさしいお話しでした。
「戦後の日本をつくってきたのは、みなさんがた高齢者なのですから、堂々と年金をもらい、どんどん使ってください」とか、「介護が必要になったら、遠くに住んでいる子供を呼び寄せ介護をさせればよいのです」とか・・・
独居老人を抱える私としては、苦笑いの連続。
もちろん、今の厚労省が進めている「在宅医療」の話にも触れられての、「自宅介護」の話なんですけどね。
その中でビックリしたのは、名古屋市内には「ホスピス(=がんの終末期医療専門病院)」の病床が90床しかない!ということ。
「ホスピス」に入院するための、順番待ち状態になっている、という笑えない話もありました。
都市規模としては決して小さくない名古屋であっても、「ホスピス」の数が少ない、というのは驚きでした。
患者や患者家族としては、最善の治療環境や終末医療を受けたい!と思うのは、当然のコトですよね。
そのための「チームづくり」と、「リビングウィル(=生前に最期の治療意思を表明した手紙や書類)」を、家族と話し合い作っておくコトも大切です、というお話しもありました。
その帰り、なかなかタイミングが合わずに買えなかった「鬼まんじゅう」の名店が近くにあるコトに気が付き、2個お買い上げ
とても素朴で優しいお味で、美味しくいただきました
こんにちは