中国の国産スマートフォン「OPPO」と「ビボ」が旋風を巻き起こしている。先に設立されたOPPOは、米市場調査会社ガートナーが最近発表した今年1-3月(第1四半期)の世界のスマートフォン販売台数ランキングで「小米(シャオミ)」を抜き、4位に浮上した。中国メーカーである華為(ファーウェイ)、OPPO、小米を合わせたシェアは前年同期の11.8%から17.2%に上昇した。同じ期間にサムスン電子のシェアは0.9ポイント低下した。特にOPPOのシェアは2.0%から4.6%へと2倍以上に伸びた。
後発のビボは中国市場で目覚ましい成果を収めた。1-3月に中国市場でのシェアが13.28%を記録し、2位に浮上した。OPPO、ビボの合計世界シェアは9.8%(IDC調べ)で、3位華為(8.2%)を上回る。一気にサムスンやアップルの強力なライバルへと浮上した格好だ。
■前身はMP3プレーヤー業者
両社の成長の秘訣(ひけつ)は音響技術にある。これまで中国企業はサムスン、アップルなどの技術をコピーするのに必死だった。しかし、両社は音響技術ではサムスン、アップルを脅かすほどの競争力があると評価されている。中国・広東省に本社を置く歩歩高(BBK)が両社のルーツだ。
歩歩高の創業者は、中国の浙江大で電子工学を専攻した段永平会長(55)だ。段氏は1989年から6年間、学習用コンピューター業者の「小覇王」で最高経営責任者(CEO)を務め、富豪へと浮上した。段会長は95年、DVDプレーヤー、MP3プレーヤーなどを生産する歩歩高を創業し、2001年に海外向けのMP3製品ブランド「OPPO」を創立した。その後、04年には歩歩高の創業メンバーの1人、陳明永(トニー・チェン)氏にOPPO事業を委ね、11年にスマートフォン事業に参入した。
ビボは母体となる歩歩高が11年に直接創設したスマートフォンブランドだ。OPPOが価格50万~60万ウォン(約4万6000-5万5000円)の中低価格製品を主に販売し、ビボは80万ウォン(約7万4000円)前後のハイエンド市場を狙っている。段会長は競争しながら、差別化した市場を攻略する狙いで、ブランドの二元化戦略を取った。