全国17都府県のコンビニ店の現金自動預け払い機(ATM)約1400台から総額約14億4000万円が不正に引き出された事件で、愛知県警は31日、いずれも作業員で同県小牧市、中園竜男(28)、同県春日井市、佐橋克哉(28)の両容疑者を窃盗の疑いで逮捕した。

 一連の事件で逮捕者は全国で初めて。

 発表によると、2人は5月15日午前、名古屋市と小牧市のコンビニのATMで、偽造クレジットカードを使い、12回にわたって計120万円を引き出した疑い。2人とも容疑を認めている。

 2人は中学時代からの知人で、県警は偽造カードで金を引き出す「出し子」役とみている。2人のうちの1人は、別の指示役の男から「アルバイトを頼まれた」と供述。引き出した金は男に渡し、数万円の報酬を受け取ったといい、偽造カードは「男に返した」と供述しているという。偽造カードのうち、1枚はジンバブエ共和国の男性、もう1枚は南アフリカ共和国の男性の名義になっていた。

 県警は、事件の背後に大がかりな国際犯罪グループがあるとみて捜査している。