あきらめきれなくて
日テレの人事担当者はこの店を訪れておらず、店の様子も笹崎さんの働きぶりも確認せぬまま、内定取り消しをしている。その判断は「きわめて乱暴」と、前出の今中氏が指摘する。
「母あるいは母の知人に頼まれた、この『働く動機』もポイントになります。本人が求人誌を見て応募したわけではない。母の知人が店内にいることも含めて、この店で働くことは、彼女にとってごく自然な流れだったとも言えます。
この裁判は彼女一人のものではなく、社会に対する問題提起の側面を持っています。ホステスのアルバイトをしていた過去が、女性の将来を塞ぐことがあっていいのか。個人的にはあってはならないと思う。司法がどのような判断を下すか注目しています」
今回の裁判の結果は判例として残り、今後、同種の裁判に影響を及ぼす。ホステスのバイトをする女子大生が特殊な存在ではなくなっている昨今、娘を持つ親たちにとっても、他人事とは言えないだろう。
本誌は日テレ側の主張も聞くべく、広報・IR部に対面による取材を申し入れた。しかし、戻って来たのは書面による回答だった。
「貴誌からの取材依頼につきましては、対面での取材にかえ、以下のコメントとさせていただきます。
本件は民事裁判で係争中の事案であり、当社の主張は裁判の過程で明らかにさせていただきます」
笹崎さんが言う。
「私のために裁判沙汰になってしまい、申し訳ない気持ちもあります。ただ、私にとってアナウンサーになることは夢。このような理由で夢をあきらめることはどうしてもできません。
それからもう一つ、この裁判は世間の皆さんに、女子アナという仕事について考えていただく機会にもなると思っています。大学時代にホステスのバイトをしていた女子アナは、受け入れてもらえないのでしょうか?私の経歴は、裁判によって公になります。その上で、もし私が女子アナになれたとしたら、批判も含めて、過去はすべて引き受けるつもりです」
注目の裁判は11月14日に始まる。
「週刊現代」2014年11月22日号より
- 「局アナ内定取り消し」女子大生に 日本テレビが送っていた書簡が冷酷すぎる(2014.11.17)
- 衝撃スクープ!フォークで刺されたはずの盲導犬オスカー「実は刺されてなんか、いなかった」日本中が激怒した事件に意外な新証言が……(2014.11.18)
- 視聴率重視で起用されるテレビコメンテーターたちの危うさ(2014.11.19)
- 右を見ても、左を見ても「正論バカ」が日本を滅ぼす なんでも「シロ」「クロ」つけないと、納得できない人が急増中!(2014.09.17)
- 次男の逮捕から1年 みのもんた「謹慎中に考えたこと、すべてお話しします」(2014.09.09)
- 世界的にもこんなの異常だ! 在日米軍だけがもつ「特権」の真実(2016.05.31)
- 「あの日」から2年。小保方晴子さんが受けた、瀬戸内寂聴「魂の救済」〜いまだ明らかにできないこと(2016.05.31)
- ついに掴んだ暴力団との接点。銀行の危機を救え!【『銀行渉外担当 竹中治夫』第5~6話公開】(2016.05.31)
- 燃費がウリの車ほど要注意! 主要100車種「実際の燃費」をすべて公開する(2016.05.30)
- 税金でエンジョイライフ! 舛添都知事が問われているのはその「人間性」だ(2016.05.30)
- キリンビール高知支店が起こした「奇跡の大勝利」 〜打倒スーパードライへの道(2016.05.30)