「日テレ側は、彼女が昨年9月のセミナーで記入した『自己紹介シート』に、クラブでのバイト歴を記載しなかったことをもって『虚偽』だと主張します。しかし、そもそもこのセミナーなるものが、時期が早すぎて経団連の『採用選考に関する企業の倫理憲章』に違反しており、彼女もそれが採用活動の一環であるという認識が乏しかった。
そのような場で、しかも『すべてのアルバイト歴を漏れなく書け』と口頭で指示もされていない条件下で、ホステスのバイト歴を書かなかったことは、法的に到底『虚偽』とは言えないでしょう」
一方で、「ホステスのバイト歴は清廉な女子アナにふさわしくない」という判断については、特定社会保険労務士の今中良輔氏がこう疑義を呈する。
「判断がかなり雑だな、という印象です。一般企業であれば、ホステス歴を理由に内定を取り消すことはありえないでしょう。ではアナウンサーになりたい人はホステスをやってはいけないのか。この裁判で彼女が負ければ、『女子アナは清廉でホステスは清廉でない』という日テレの主張が認められることになり、司法が職業の貴賎を認定することになりかねません。
日本テレビは彼女がどのような事情で、どんな店でどのように働いたかを勘案することなく、ホステスという言葉で一括りにしている節がある。放送局という公共性の高い企業でありながら、判断のプロセスに合理性を欠いています」
ホステスのアルバイトをした経緯について、笹崎さん本人はこう語る。
「そもそもは母の知人の紹介でした。その方がお店の経営者と親しく、『手伝ってみない?』と声をかけてくださったんです。大学2年の9月から12月まで短期留学する予定で、その費用の足しになればと、2年生の8月の1ヵ月間、週1回か2回くらいお店で接客の手伝いをしました。
銀座のクラブというよりも、昔のテレビに出てくるスナックのような、こぢんまりとしたお店でした。母の知人もカウンターの中で働いていたので、私としても安心できたんです。
最初は1ヵ月だけのつもりだったのですが、帰国後も母の知人に声をかけられたので、1月から3月まで週1くらいのペースで働きました。8月にやったときに、このバイトはおカネだけじゃなく、人生経験にもなるとわかったからです。お客さんには企業の経営者の方もいて、就職活動の相談なんかもさせていただきました。その後、5月から7月にも、週1ペースでお店に出ていました」
実際、本誌も店を訪ねてみた。彼女の言う「スナックのような」という表現がピッタリの、テーブル4席とカウンターだけのアットホームな店だ。同店の経営者が言う。
「彼女みたいに若いコは他にいないし、聞き上手だからお客さんにも可愛がられていましたよ。でも、営業の電話をするわけでも同伴するわけでもなく、門限があるから11時には帰っちゃうし、彼女個人の名刺も作っていなかった。本当に手伝い、という感じで、ここでのバイトが原因で内定を取り消されたと聞いてビックリしています」
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