しばき隊リンチ事件を知っていた北田暁大 - 岸政彦にも関与の疑惑が浮上

c0315619_12182199.jpg昨日(5/29)深夜、高島弁護士が被害者のリンチ事件直後の顔写真を公開、ネット空間に激震が走っている。高島弁護士のツイートには「画像の公表については、被害者本人の承諾を得ています」と付されており、また「被害者本人は、拡散を希望しています」ともある。事件の何よりの物的証拠であり、最も第三者に分かりやすいものだ。最早、リンチはなかっただの、ただの喧嘩だっただのという言い逃れは通用しない。どのような正当化も許されない。開示された画像は、5月27日に在日の医師がそれを見て上げた診断を裏づけていて、実に凄惨なものだ。所見はこうある。「(1)外傷が右顔面に集中していることなどから、加害者は左利きと推測される。腫れの程度や右上顎部の裂傷の状況からみて、受傷から数時間程度経過したものと思われる。右眼瞼の腫れが特に酷く開眼できない状況で皮下血腫もあり」。「(2)鼻梁は左方向に偏倚し鼻骨骨折を示唆する。眉間にまで腫れが及んでいることから鼻骨が砕けているかもしれない。拳による数十発の殴打でこれで済んだのは、腕で防御姿勢を取った可能性と、加害者が左拳を痛めた可能性を考える(完全無防備だったら、それこそ生死の問題になっただろう)」。



c0315619_12122699.jpg昨夜(5/29)は日曜の夜だったが、もう一つ、しばき隊リンチ事件に関連して重要な出来事が起きた。社会学者の北田暁大が証言を始めたのである。きわめて意外な方角から新しい証言者が出現した。東のアカデミーから暴露が出た。北田暁大はリンチ事件を知っていた。こう書いている。「最初に私の状況認識について記します。私が事件のことを聞いたのは事件が起こったのち、裁判事務局の岸さんから『ひどい暴力事件があった』と聞いたときでした。内容的には、かなり凄惨な暴力であったこと、裁判支援の継続を検討しているということ、今いろんな人たちが事態の対応に追われていると。」「岸さんは当日現場にはおらず、その時点では章さう(ママ:『詳細』の誤記?)は把握されていないようでしたが、示談で済むかというとそうでもないだろうと。私は関西カウンターについては岸さんのご友人数名としか面識がなく、お名前を聞いても分からず、メモをして改めてSNS等を確認しておりました。」「2015年の9月のことです。いまメールを確認したところ、それほど詳細な話を聞いたのはだいぶ後のようです。別人を加害当事者が殴ったらしい、との誤った認識を自分のメモに残しています。ということはそれ以降に徐々にお話を聞き、事態について把握するようになったということになります」。

c0315619_1212376.jpg「被害者と加害者のお名前を把握したのは、9月16日。以降、割くほど(ママ:『先ほど』?)に記しましたように『刑事告訴も免れない』との認識から、事態の推移を注視しておりました。そして、刑事処分が降りたと知ったのは確定しないのですが、おそらく2016年4月に入ってからかと思われます」。ここまでの記述を読んで、私は不審に思い、「北田暁大の話は辻褄が合わないな。説明が時間的に矛盾している」と深夜にツイートを発信した。ここで北田暁大が「岸さん」と呼んでいるのは、龍谷大学教授で「李信恵さんの裁判を支援する会」の事務局を務めている岸政彦のことだ。何を不審に感じたかというと、時系列の不具合で、岸政彦から事件発生を聞き、示談交渉を含めた収拾に追われている状況を岸政彦から伝え聞いた時期が昨年9月というのは、経緯から鑑みてあまりに遅すぎる。不自然だ。事件が起きたのが一昨年の12月17日未明。辛淑玉文書が昨年の1月27日。李信恵の謝罪文が昨年2月3日。そして、李信恵らが活動自粛の禁を破って再開するのが昨年4月である。昨年9月は、李信恵の活動再開から半年近くも経った後だ。この時期に、岸政彦からリンチ事件の発生とその対応への腐心を聞いたという説明は腑に落ちない。

c0315619_12124934.jpgこの時点ではとっくに「対応」は終わり、謝罪文で表明した反省や自粛や謹慎を踏み捨てて、一方的に活動を再開していた頃だった。被害者に対する懐柔(言いくるめ)が巧く運んだのか、首尾よく李信恵を不起訴処分に持ち込むことができ、リンチ事件については隠蔽工作が奏功し、誰も事件を知らず、表沙汰になることなく、ひそかに2chの隅っこで都市伝説が囁かれ始めたという程度の時期が昨年9月である。無論、私は北田暁大がウソを言っているとは思わない。9月16日の日付も何か根拠となるメモが手元にあるのだろう。そのメモの物理的存在によって、逆に事実の前後関係の整理を混乱させているのだ。私は北田暁大の欺瞞を疑う意図は毛頭ない。単なる勘違いだ。すると、北田暁大の方からリプライが届き、「申し訳ありません、メモの時系列が??となつていて、あした改めて時系列を確認いたします」と言ってきた。無名の私ごときに、東大の教授様がこんなに丁寧に謝っていただく必要はない。それよりも、北田暁大の今回のツイートは、大物の岸政彦が事件の隠蔽工作に関与していたことを示唆する発言であり、また社会学のアカデミーで広範にしばき隊リンチ事件が周知の事実であったことを証明するもので、意義はきわめて大きいと評価させていただく。

c0315619_12125982.jpg特に、北田暁大の口から岸政彦の名前が出たことは決定的だ。今回の北田暁大のツイートは、意味が分かりづらい表現と内容だが、要するに社会学アカデミーの内部にいる事件関係者に対する告発の動機のものと考えてよく、隠蔽工作への批判が意図された議論だ。そして、凄惨なリンチ事件を知りながら知らないフリをし、結果的にしばき隊を支援する側に付いていた自身に対する悔悟の念が察せられる。こうして北田暁大が自ら、昨年からの事件の既知を告白したことで、しばき隊リンチ事件は新たな次元へ移行したと言えよう。推測されていたことではあったが、社会学アカデミーの有力者たちの間でリンチ事件が関心として共有されていて、ビッグネームズが隠蔽工作の積極的な加担者か消極的な幇助者となっている。アカデミーは狭い世界だ。せまっくるしい人脈と権力関係で動いている小宇宙である。そして、社会学アカデミーは昨年のSEALDs運動を支援する「学者の会」の一つの中軸部隊だった。北田暁大がここまで事件を知り及んでいたとすれば、他の者たちも例外ではないだろう。外から見れば、社会学アカデミーが総ぐるみで事件を隠蔽していた疑惑になる。北田暁大には、ぜひ事件を整理検討して真相を明らかにして欲しい。社会学アカデミーの膿を出してもらいたいと願う。

c0315619_13354272.jpg生島マリカから、「彼(注:岸政彦)はオロオロしてないでしょ。12月の末に酒飲みながら楽しくぼんどどラジオ放送に出演してましたよ。しかも岸どんは事件発生してから約10日後には加害者らとある団体の幹部らと会って事件の対策の根回し済ませてますから。」というリプライも入った。気になって岸政彦のTwログを探索すると、なぜか、2015年1月31日から2015年4月2日の間が空白となっている。何も更新されておらず、RTもされていない。Twの活動が休止されている。これは李信恵がTwほかの活動を休止していた期間に重なるが、果たして偶然の一致だろうか。岸政彦はリンチの現場にもおらず、暴行傷害事件とは直接には無関係だが、隠蔽工作への関与が疑われていて、主導的役割を果たした一人だったのではないかと噂されている。こうして北田暁大から名前が漏れたことで、かかる疑惑は一層深まったと言えよう。リンチ事件が起きたとき、関西しばき隊では対応をめぐって二つの立場に分かれていた。なるべく穏便に被害者を宥めて、被害者が要求する刑事司法での処理を認め、被害者の要求に沿うフリで示談決着させて事件を闇から闇へ封殺しようという動き(文治派)と、被害者の要求なんてどうでもよく、圧力をかけて刑事告訴を阻止しようという動き(武断派)の二つの流れである。

c0315619_12132320.jpg武断派の論理と気分は現在も生きていて、Twの中に垣間見えるが、被害者を身内の出来損ないと捉え、幼児に「躾」の制裁を与えるDV親の「常識感覚」である。結局、裁定に乗り出した辛淑玉の説得が通り、文治派の路線で収束の方向が決まる。だが、これは結果的に被害者を騙した問題解決であり、わずか2か月で李信恵は自粛と謹慎を解いてしまった。被害者には不意討ちの裏切りに他ならない。外から見れば、被害者が巧く騙された格好で、口約束の合意だったのか分からないが、もっと長かったはずの自粛と謹慎を反故にされ、民事上の解決を拗らせる形となる。文治派の狙いは、被害者に組織防衛の動機があることを見抜き、穏便な処理へと周到に引き寄せ、事件を略式裁判と李信恵不起訴に持ち込むことだった。見事にそのとおりの果実を得ている。刑事裁判をその形で終わらせれば、あとは弁護士や周囲の力関係でどうにでもなるという思惑だったのだろう。私からのお願いとして、今後、北田暁大には知っているかぎりの事実を正しく説明して欲しいし、リンチ事件以外のしばき隊絡み(学者の会)の問題を開示して欲しいし、社会学アカデミーをしばき隊が洗脳支配するサティアン状態から解放して欲しいと思う。


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by yoniumuhibi | 2016-05-30 23:30 | Trackback | Comments(2)
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Commented by 桜井元 at 2016-05-30 20:42 x
多大な内外の犠牲(原爆も含む)ののちにかろうじて手にした、戦後民主主義と平和主義、そしてそれらの砦としての「日本国憲法」が、いま最大の危機を迎えています。

国民の意識を高め、怒りを糾合する運動のリーダーが必要な時に、どうしてこのような団体(「しばき隊」とそのデリバティブ「SEALDs」)が反対運動の中心に鎮座したのでしょうか。かつて内ゲバとリンチに明け暮れ、国民を幻滅させた学生闘争・過激派の二の舞ではないですか。世直し運動に水をさすその罪は重いです。

ブログ主様のおっしゃるとおり、野党や反対派の識者たちはこの団体ときっぱり手を切ってもらいたいものです。そして、清新な国民運動を再構築していただきたい。

社会学者の方々には、この運動団体の生成と生理と病理とをしっかり「社会学」していただきたい。なぜこのような団体が発言力を増したのか。若者だけでなく、国会議員や弁護士や学者やジャーナリストやアーチストたちがなぜこのような団体に与していったのか。重大な集団的自衛権論議の際に、マスコミ各社はなぜこのような団体をクローズアップしたのか。なぜこのような「暴力」と「隠蔽」が生じたのか。

分析対象は、この団体そのものにとどまらず、日本社会全体をも視野に入れ、総合的に重厚な「社会学」をものしていただきたいものです。

Commented by 日和見くん at 2016-05-30 22:35 x
最初は、しばき隊批判の記事から拝見したので、右翼界隈の人かと勘違いしてしまいましたが
とんでもない誤りでした。個人的にロシア革命の歴史を趣味として(おそらく共産趣味といわれるところの)
いる自分からすると、しばき隊やそれを庇う人の間とボリシェビキ、レーニン的な思想とかなり近しいものがあると思います。
それは「目的のためであれば行為・手段は神聖視、正当化される」という強烈な信念。
政治の天才であるレーニンとこういうレベルの行動を起こした連中を一緒にしたくはありませんが
行動様式は全く一緒です。それがどんな悲劇を生んだがわかってもらいたい。(日本でも内ゲバでどんなことがあったくらいは)
目的が絶対視されると、自分たちに対する批判的な視座は生まれませんし、どんな悪行も正当化されてしまいます。
このブログを「右翼に利用されるから」といって批判する人も多いでしょうが、言葉だけであれば
そういう事も言えなくはないでしょうが、ダメなものを見過ごす人に果たして「正義」はなしうるのでしょうか。
まぁ、こういう界隈は「利口」な人が多いですから、そういって逃げたりズルするのが上手いなぁ、といつも思います。
そういう利口さは会社や組織を救いはするかもしれませんが、果たして社会正義をなしうるのか。疑問です。
だからシールズも好きにはなれないし、(人間的にも好きになれそうにないタイプの人が多いという個人的理由もありますが)
問題はもっと、やったもん勝ち、いったもの勝ち、声の大きいもの勝ち、という非常に傲慢で反知性主義的思考がこの社会に
エリートであるかそうでないかを問わずに蔓延している所にあるのじゃないかと。
とにかく、こういった行動がどんな理由を問わず許されないということを右翼という視線以外からきっぱりといいきってくれたことが
非常にうれしかったですし、誠実な視点をお持ちだと思いました。
トロツキーの遺言には「この世の悪と抑圧と暴力を一掃せしめ心行くまで人生を享受せしめよ」という言葉がありますがその為に
銃殺や強制収容所や拷問が行われるのであればそれもまた、「悪と抑圧と暴力」そのものであろう、と。


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