セックスのやりすぎでペニスが大きくなる? 人類総ヤリチン子孫説も…(最新研究)
――オカルト・不思議が大好きな理学博士X氏が、世の中の仰天最新生物ニュースに答えるシリーズ
画像は「Evolution」より引用
セックスのやり過ぎでペニスが大きくなる。
そんな衝撃的なニュースが、今月24日付の英紙「Mirror」に掲載された。イギリスの名門・エクセター大学の研究者らが学術誌「Evolution」に24日付で発表した論文によると、「セックスのやり過ぎによってオスの生殖器は長くなり、それに合わせるようにメスの生殖器にある爪状の部分が長くなった」というのだ。
――そう、残念ながらこれは人間の話ではなく、シデムシという昆虫を使った実験の結果である。著者のホープウッド博士らは、交配率の高いオスと逆に低いオスを人為的に選抜して繁殖させた。そして生殖器の形状に変化が現れたのは、10世代後のことだったという。
■性器の形を変化させる「共進化」と「性的対立」
生物学に詳しい理学博士X氏は、今回の論文について次のように解説する。
「生殖器の形状は身体の形状に比べて多様性が高いのですが、その原因のひとつと考えられているのが、今回の論文でもキーとなっている『共進化』と『性的対立』です。ある変化に合わせて別の関連する変化が起こることを共進化というのですが、今回、人為的な選別によってオス・メス双方の生殖器の形状が共進化することが示されました。この共進化の背景には、オスとメスとの間で繁殖戦略が異なっているために起こる性的対立があります」
シデムシ イメージ画像:「Thinkstock」より
X氏はオスの長い生殖器や頻繁な交配は、オスにとってはメリットであるが、メス側にしてみればデメリットとなりうると語る。
「メスからすれば交配なんて卵を受精させるためのほんの数回で十分です。交配の頻度が多くなり産卵の回数が増えれば、生まれた子の世話をする機会も減ります。つまり繁殖において、オス側とメス側の戦略が対立しているのです。だからこそ、今回の実験では高交配率群でオスの生殖器が大きくなったことを受けて、メスの生殖器も爪状の部分が長くなるなど交配を避けるような変化が生じました。生殖器の形状変化は、長い目で見れば繁殖率などに影響すると考えられます。これは、メス側がオス側のメリットを阻害するための変化である可能性があります」
では、人間でもヤリチンが世代を重ねればペニスが大きくなったり、女性器が小さくなったりするのだろうか?
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