モンスター被災者に要注意!

画像: キロクマ!から

2016.04.17

ライフ・ソーシャル

モンスター被災者に要注意!

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 芸術学部 哲学教授

/1912年4月14日夜、タイタニック号の事故のとき、船と救援以外の通信はすべて停止し、そのおかげで、あれほどの最悪の状況でも、救われた命が数多くあった。一方、今回の熊本地震では、元気で声のでかい連中のオレオレ電話、オレオレ報道は、現場を混乱させただけだったのではないか。/

 熊本は、以前、お世話になっていた。あのあたりは土地勘がある。その感覚からすると、この数日の報道やネットは、おかしな話が山積みだ。


 たとえば温泉旅館の救援ヘリ。下り道が細く、そこが崩れ、車が通れなくなったらしい。だが、あそこは宣伝で「秘湯」と言い散らし、わざわざ通りにくい林道を案内して都会人を騙し、山奥を演出しているだけで、裏側を登れば、じつは驚くほど広大な、開けた放牧場に隣接しており、とてもよく整備された阿蘇パノラマライン(吉田線)にかんたんに出られる。1日分しか水が無い、と大騒ぎしていたが、熊本市内全域が断水で、その日の赤ちゃんのミルクさえも事欠く状態。あの温泉に、倒壊の危険のある病院の傷病者移送や、市内で完全に不足している水や物資輸送、現にまだ埋もれている瓦礫や土砂の下の人の捜索搬送を差し置いて、一刻を争うヘリ救出が必要だったとは、とうてい思えない。ひねくれ者の個人的な感想ながら、自称「秘湯」のくせに、こんなときにまで全国向け自己アピールがうざい旅館だよなぁ、との悪印象を改めて強くした。(垂玉はともかく、もう一方は今回の地震以前から建物や舗装の手入れがひどく、驚異的にペロペロな安普請の老朽化で、もともとヒビ割れだらけの廃屋同然。国立公園第二種特別地域なのに、欲深な建物や駐車場の拡張で、裏山や周辺の土地を崩れるほどあちこちガリガリ削りまくり、ドカドカ盛りまくっちゃったの、いったい誰よ? あんなんで14日晩の益城大地震の後にも営業して、いまさらどの口で、お客様の安全、を言うやら。)


 同様に、某大学の体育館。ここも孤立、孤立、と大騒ぎしていたが、車道に段差ができただけで、自分たちで歩けば村の避難所まで簡単に脱出可能。まして屈強な体育会の連中(あいつらの寮の存在って、同じキャンパスの中でも農学部の学生一般には知られていないのか? まあ昔から連中に農学部の学生はほとんどいないが)が、避難者とは思えないほどの大量のスーツケースの荷物を持って、おおぜい集まり、飯くれ、水くれ、と、いったいこの状況で何様なんだか。そもそも、わざわざ歩いて登って、崩落崖側の体育館に避難する方がどうかしている。なんで村で公式に決めた安全な避難所に行こうとしないで、自分たちでかってなことをやっているのか、それで文句を言っているのか、わけがわからない。(ひょっとして農学部で作ったハムやベーコン、イモ、チーズ、アイスクリーム、酒などを自分たちだけで喰うために戻ったのか? 体育館にいた農学部の学生たちはかえって知らなかったようだが、あの日、農場のビニールハウスの中で呑気にキャッチボールしている連中の写真がtwitterに出回っていた。それこそ写真を消して逃走したようだが。)

PR

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 芸術学部 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

フォロー フォローして純丘曜彰 教授博士の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。