ねこちゃんの歩き方

d4a_4308

ねこちゃんの足と人間の足の解剖学的な違いや、
 ねこちゃんが見せる正しい歩き方と異常な歩き
方について説明します。

ねこちゃんの足と人間の足の違いは?

20100926135633219

ねこちゃんの歩行様式は指行性
(しこうせい)と
 呼ばれます。

一方人間の歩行様式は蹠行性
(せきこうせい)と
 呼ばれ、馬の歩行様式は蹄行性
(ていこうせい)
と呼ばれます。

人間と猫ちゃんの歩行スタイル

蹠行性(せきこうせい)は、地面に足の裏を
 接触しながら歩行する
(人間・熊など)
 
指行性(しこうせい)は、地面に指だけを接
 触しながら歩行する
(犬・猫など)
 
蹄行性(ていこうせい)は、地面にひづめを接触しながら歩行する(馬・象など)

私達人間から見ると、ねこちゃんの足は我々と同
 じ構造になっているように思われますが、実は
大きく違います。

私たちがねこちゃんの「足の裏」と見なしている
 部分(肉球に覆われている部分)は、実際はね
こちゃんの「指」です。

以下に猫の足の骨格を示しますのでご参照下さい。
 ↓  ↓  ↓
leg5

上の骨格解剖図をごらん頂いて分かるとおり、私
 たちが足の裏と思い込んでいる部位は、ねこちゃ
んの指の骨です。

つまり平たく言うとねこちゃんはいつも爪先立ち
 で歩いている
ということになります。

人間の蹠行性(せきこうせい)とねこちゃんの指
 行性(しこうせい)の違いを分かりやすく示し
た写真がこれです。

leg6

わんちゃんやねこちゃんの「指行性」という移動
 様式は、「足を振り出すときの先端の質量を軽
くし、回転を早くする」という効果があります。

結果としてすばやく走る能力を獲得し、狩猟の成
 功確率が上がりました。

一方、人間の指のような細かな動きは到底出来ま
 せんので、器用さを犠牲にして獲得した歩行様
式ともいえるでしょう。

 猫の香箱座り

 ねこちゃんがくつろいでいるとき、香箱座り
(こうばこずわり/もしくはただ単に”箱座り”と
 もいう)という奇妙な座り方をします。

座ったときのたたずまいが、香箱(香を入れる四
 角い箱)を彷彿(ほうふつ)とさせるところか
 らこう呼ばれていますが、さてこのとき猫の前足
 は、いったいどうなっているのでしょうか?

leg7

下からのぞいてみると、手首を内側に器用に折り
 曲げて収納していることが分かります。

一般的に、ねこちゃんはリラックスしているとき
 しかこうした座り方を見せません。

それはこの「香箱座り」という座り方は危険にさ
 らされたとき、即座に立ち上がって行動に移れ
ない体勢だからです。

ねこちゃんが警戒しながら座っているときは、前
 足のひじを立てた状態をキープしています。

また、ややリラックスしてくると「スフィンクス
 座り」、もしくは「ライオン座り」と呼ばれる
姿勢に移行します。

これはひじを地面につけた状態です。

さらにリラックスすると手首を内側に折り曲げ、
 その上に上半身を乗せるようにして寝そべりま
す。

これが「香箱座り」の状態です。

大型ネコ科動物であるライオンは、こうした器用
 な座り方は出来ませんので関節が柔軟な猫特有
のスタイルと言うわけですね。

猫が香箱座りをする

leg8

■ねこちゃんの見せるちょっとした態度やしぐさに・・・

 ■ねこちゃんは香箱座り(こうばこずわり)をする