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 31日午前9時50分ごろ、岡山市南区豊成2丁目のマンション駐車場で、通行人から「男性が倒れている」と110番通報があった。岡山県警によると、男性はこのマンションに住む指定暴力団「神戸山口組」傘下・池田組の高木忠(ただし)幹部(55)で、何者かに拳銃で撃たれ、胸や腹などに数発を浴びたという。心肺停止状態で病院へ運ばれ、約1時間後に死亡した。

 近所の男性によると、銃撃音が「パン、パン、パン」と3~4回したため外を見ると、薄い青色の長袖シャツにグレーのズボンをはいた男が現場近くを走り去って北へ進み、近くに止めてあった原付きバイクに乗って走り去った。ヘルメットをかぶり、表情は見えなかったという。

 現場はJR岡山駅から南東へ約4キロの住宅街の一角。男を目撃した男性は「普段は静かな場所。まさか銃撃事件が起きるなんて」と話した。

 池田組は組事務所を岡山市北区に置く。もともと山口組の直系団体。昨年8月、山口組から分裂した離脱組がつくった神戸山口組に発足時から加わった。

 捜査関係者によると、池田組の池田孝志組長(71)は神戸山口組で要職の「舎弟頭」に就き、「金庫番」と呼ばれるなど豊富な資金源を持つという。分裂後、同じ岡山市に拠点を置く山口組直系の大石組から組員らが大量に移り、両組織で小競り合いなどのトラブルが起きていた。

 捜査関係者によると、山口組と神戸山口組の幹部は「伊勢志摩サミット終了までは騒動を起こすな」と傘下組織に指示していた。ある捜査幹部は「サミット終了から間もない時期で、各地の警察は警戒を強めていた」と話す。