新聞やニュースで最近気になる問題として
「我が国の高齢化が急速に進み、今迄どの国も経験したした事も無い
高齢社会を迎える」という事であります。
終戦直後から昭和20年代頃は「人生僅かに50年」と学生時代教わっていたが
焦土と化した国土を復興しGNPで欧米の先進国の仲間入りを果たす頃は
「人生65年時代」となり
年金や社会福祉制度を此れに合わせて創られて来たのも束の間、
最早「人生90年時代」がすぐそこまで来ているようだ。
なにを以って高齢社会と呼ぶのか調べてみたら、
人口に占める割合で老年(65歳以上)人口が
7%を超えると高齢化社会(1970年以降そうである)、
14%以上で高齢社会、21%以上になると超高齢社会と呼ぶのだそうだ。
我が国の現状はどうかというと、
2005年10月1日の統計で20.4%2015年には26%に達し
2050年には39.6%と予想され、それに伴う社会制度の改革や
個人の意識改革が急務となって来ているようだ。
とくに我が国が問題なのは欧米に比べて寝たきり高齢者が多い事で、
なんと米国の5倍、欧州の8倍と言われているのには驚きである。
古来長寿はお目出度いとされ、60歳の還暦、70歳の古希、77歳の喜寿等々
節目ごとに家族・親族一同に会し長寿のお祝いをする習慣があった。
そんな慶事も健康であって意味があるのに寝たきりでは
何の長寿かと疑問に感じる部分がある。

幸せな高齢社会を実現させるのであるならば介護施設の充実も必要だが、
より大切なのは高齢による身体の機能的衰えを可能な限り小さくして、
健康で元気に長生きする事であろう。
などと考えながら高齢化社会について調べていたら
ロコモとかサルコペニア、ADL、IADL、QOL、アンチエイジング等々
の横文字が矢鱈目に飛び込んできた。
此れは何を意味するのかと考えると、
欧米と比較して急速に進んだ高齢化の為、それに対する研究や社会制度が
欧米と比べて十分に対応しきれていなかった事が浮き彫りになっている
ように思えた。
しからばどうするかと自問してみると
社会制度等の公助が揃うまではもう暫くは時間がかかりそうなので
自助努力が最も肝腎であるように思える。
人間誰しも歳を重ねてある一定の年齢に達すると
急激に筋量、筋力が低下し(サルコペニア)これが引き金となって
骨や関節、軟骨、椎間板と言った運動器に障害が起き
認知症を含め日常生活に支障をきたす様になって来るものらしい。
(ロコモティブシンドローム)
老化ともいえる此の状態は完全には予防できないものの、
出来るだけ遅らせるとか、なだらかな低下にするのは可能な様だ。
色々分かった事は端的に言えば第一に筋量と筋肉の低下を予防する事が大切で、
それには「必要な適度な運動とキッチリした食事の摂取」にあるようだ。
その内容については耳学問より専門家の指導に依るのがよいと思う。
此の「運動と食事」の自己管理に最も大切なのは
何のために生きるかという強い目的意識が存在しなければならない
のではないでしょうか。
健康で元気に生きる目的、その目的とは正に生き甲斐なのではなかろうか。
しかし生き甲斐とは人其々千差万別だろうが趣味やスポーツ、
社会活動(ボランティア等)、家族等があげられるが
「仕事=働く事」が上位に挙げられていたのには興味深く感じた。

福沢諭吉心訓の一つに
(師が作成されたと言う7則からなる教訓:作者不明の偽作と言われているが)
「世の中で一番楽しく立派な事は一生涯を貫く仕事を持つ事である。
世の中で一番さびしい事はする仕事のない事である。」
と言うのがある。
矢張り仕事と言うのは誰にとっても生きる支えになっているのではないかと
改めて確信がもてた次第です。
そう言う意味では間も無く喜寿を迎えようとしている現在、
こうして弊社にお世話になって居ること自体大変有難く心より感謝いたします。
誠にありがとうございます。
これからは培ってきた知識や経験が少しでも社会のお役に立てるよう精進し、
「運動と食事」に気配りをして健康に支障をきたし
周囲にご迷惑をお掛けしない様に生きてゆきたいと思っています。
以上の様な事を考る事が出来たのも弊社の「社員ブログ」の欄があるお陰です。
無ければ何の問題意識も持たずに
スルリと通り過ぎてしまった事かもしれません。
この様な機会を頂いた事に感謝申し上げます。
参与 菅沼 康光(元 株式会社安藤建設 取締役)
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