ひっそりと静まる判決公判前夜の東京地裁。31日、清原被告に運命の判決が下される(撮影・高橋朋彦)【拡大】
(2)保護観察付き
清原被告の弁護側は17日の初公判で起訴内容を認めたうえ、通常の執行猶予に比べて厳しいとされる「保護観察付き執行猶予」の判決を求めた。認められれば、執行猶予期間が終わるまで、国の再犯防止プログラムを受けながら更生を目指すことになる。
覚醒剤事件に詳しい弁護士の小森栄氏(66)は「清原被告は覚醒剤に対する親和性や依存性が高いことに加え、離婚により生活を共にする家族もいない寂しさから再犯の恐れがある。保護観察が付く可能性もある」と指摘。保護司への定期的な報告が義務づけられることから、誰が引き受けるかが焦点になる。
保護司とは法務大臣から委嘱を受けた民間のボランティアで、それぞれの分野における経験を、犯罪や非行をした人の指導や援助に役立てる。巨人の尾花高夫投手コーチが務めていたことでも知られる。
(3)実刑
検察側は「常習性があり、再犯の可能性も高い」と懲役2年6月を求刑したが、元厚生労働省麻薬取締官の小林潔氏(73)は「2年の実刑になる可能性はある」と予測した。
理由について「初公判で使用期間を明らかにせず、保釈後は糖尿病治療で入院し、薬物依存者の専門病院で治す気があるのか分からないなど、裁判官の心証は悪い」と説明。日大名誉教授の板倉宏氏(82)も「初犯で実刑になったケースはあり、可能性は50%ある。遅くとも2008年からと使用期間が長く、何度も群馬県まで覚醒剤を調達しに行ったとされるなど強い常習性、依存性がみられる。実刑の場合は求刑より短い1年6月になるだろう」と指摘した。