タイの人気寺院 トラ違法取り引き疑惑で事実上閉園へ

タイの人気寺院 トラ違法取り引き疑惑で事実上閉園へ
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トラに直接さわれることで知られ、観光客の人気を集めていたタイのお寺が、トラの違法取り引きに関与していた疑惑を受け、事実上の閉園に追い込まれることになりました。
タイ西部のカンチャナブリにあるタイガー・テンプルでは、僧侶が病気で弱ったトラを世話したのをきっかけに、100頭以上のトラが飼育されるようになり、トラにさわれることから外国人観光客の人気を集めていました。
しかし、ことし、自然保護団体が発表した報告書で、少なくとも3頭のトラが姿を消していたと指摘され、寺がトラの違法取り引きの舞台となっていた疑惑が強まり、警察が捜査を進めています。
こうしたなか、タイ政府は、寺のトラは国有財産だとして保護に乗り出し、このほどすべてのトラを受け入れる体制が整ったことから、本格的な移送作業を始めました。初日の30日は政府の職員や獣医などおよそ850人が参加し、2歳から5歳までのオスとメスのトラ合わせて7頭を麻酔で眠らせたあと、トラックに乗せて保護施設に運び出しました。寺のスタッフがトラの鎖を外すなどして作業を妨害したため、137頭いるすべてのトラを保護するには1週間以上かかる見通しだということです。
タイガー・テンプル側は疑惑を否定していますが、すべてのトラを失うことで、事実上の閉園に追い込まれることになりました。