つづいて内容の検証に入ります。
赤枠①
申請を取り下げる理由として挙げているのが「申請書類に不備があることが発覚したため」とあります。事実は
「申請書類の一部に訂正箇所があった」
ということです。具体的には平成28年度および29年度の活動予算書の数値を一箇所ずつ修正するだけで事足ります。作業としてはものの2分程度で完了する、ごく軽微なものです。
赤枠②
「申請事務を任せていた理事よりその件に関し代表の私に何の報告もなく…」
とありますがこれは虚偽です。平成28年1月27日のミーティング(長浦・近藤・伊東・丸山出席)の際、私から報告をいたしました。とはいえ、現実にはものの数分で処理できる程度の内容でさして重要ではない、根幹を揺るがすようなものでもない、報告があろうがなかろうが大勢に影響のないどうということのない内容であると断言いたします。
赤枠③
「責任者である長浦が全ての書類に目を通し進めなければならないことでしたが、事務を名乗り出てくれた理事を信頼を致しておりましたので任せきりにし…」
などと、まるで近藤が好き勝手に推し進めたといわんばかりの文章ですが、そんなことはあり得る訳などありません。平成27年8月26日、同年9月9日、同年9月23日そして設立総会直前の10月15日の計4回。申請書類すべてを通しで説明し理事会として決議しております。
それだけではありません。
設立総会開催時に岡田昭雄千曲市長をはじめとする出席者みなさまの前でご説明差し上げたのは一体なんだったのでしょうか?その後申請書・NPO承認承諾及び誓約書に署名・捺印し長浦自身で長野県庁まで赴き提出している事実をどのように説明するのか?ここまでやっていて「私は知りませんでした」などとよく言えたものです。
赤枠④
「そのため、理事を含めた会員様の人選も含めた立て直しを行い再度申請し直させていただくここと致します。」
〈含めた〉が二度も出てくるいわゆる「繰り返し文」という典型的なケアレスミス文章なので意味が不明ですが、要するに近藤・伊東が気に入らないからやり直したいということでしょう。もう少しうまく書いてもらいたいものです。
赤枠⑤
「今回の申請取り下げに関し、同意していただきたく、お手数ではありますが…」
いやいや、設立総会で決議された事項、それもNPO申請取り下げ・理事の変更など最重要事項を決めるのに同意書一枚ですませようという魂胆が信じがたい。
もっとも、やってはいけない手法とはいえません。特定非営利活動促進法では
『理事又は正会員が総会の目的である事項について提案した場合において、正会員の全員が書面により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の総会の決議があったものとみなす。』
と規定されております。
ただし、あくまでも〈正会員の全員が書面により同意の意思表示をしたとき〉に限ります。私の知る限り正会員の60%が同意されておりません。相手にされていないということでしょう。常識人からは無視されて当たり前のことです。
そして、この書面は私の手元に4通あります。もちろんすべて無署名無捺印です。
ついでに申し上げますが、私も伊東氏も立派な正会員なのですが、書面どころか一切の報告・通告はありません。
長浦さんいったいどうするんでしょうね。適当に名前とハンコ押して出しちゃった。などということがあったら有印公文書偽造です。日本国民である以上、法律は守ってもらわないといけません。
ここまでの説明でご理解いただけたと思いますが、この文書のどこにも本当の「取り下げ理由」は記載も表現もされておりません。あるのは近藤への責任転嫁と特定非営利活動促進法違反の明白な証拠のみです。
以上から、この書面そのものは無効と断定いたします。
| 福祉起業のためのNPO・一般社団法人・社会福祉法人のしくみと設立登記・運営マニュアル (事業者必携) | |
| 松岡慶子
三修社 2016-04-29 |
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