韓国車は過去に中国の自動車市場で勢い良く販売台数を伸ばした時期があったが、それももはや過去の話だ。韓国車の販売が低迷すると同時に日系車が販売を伸ばしていることは、中国の市場がいかに速く変化しているかを物語っている。

 中国メディアの汽車之家はこのほど、韓国の現代自動車の合弁会社である北京現代の販売台数が低迷していることに対し、「中国における韓流が寒流に変化する兆しの1つなのかもしれない」と論じた。

 流行という言葉には「恒久的」という要素は含まれておらず、あくまでも「一時的」に何かの人気が出ることを指す言葉だ。記事に言わせれば韓流もそうした流行の1つであり、「ずっと衰えないということはあり得ない」一種の文化現象のようだ。韓流についてのこの事実は、日本ならば過去の経験から証明できるだろう。

 記事は2015年の北京現代の中国における販売台数が前年比5.1%減となったことについて、「ここ8年間で初めてのこと」と説明。原因の1つに消費者がデザインより技術を重視するようになったことがあると指摘したほか、自動車以外の分野においても、中国における韓国製品の存在感に「陰りが見え始めている」と指摘した。

 例えばドラマの分野では、確かに「太陽の末裔」は人気を博したが、イン・スンホンやペ・ヨンジュンの人気は今はもうないと記事は説明。さらに音楽の分野でも、ブラックミュージックの要素を表面的に取り入れた韓国の音楽には所詮、ブラックミュージックの文化的な深さはないと指摘した。

 つまり記事に言わせれば韓国の自動車、音楽、ドラマはまさに韓流、つまり中国で一時的に受け入れられた流行に過ぎないということのようだ。ロングセラーとなっている日系車やドイツ車に備わっている確かな技術のような、言わば消費者の心を長くとらえることのできる「実力」がどの分野の製品にも欠けているという見方を記事は示している。

 記事は韓国の音楽について「ただ表面的に工夫を凝らした」だけと酷評しているが、この評価はおそらく韓国の音楽だけでなく、デザイン重視の自動車やルックス重視のドラマに対するものであろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)