No.37912016年4月13日(水)放送
“新リストラ時代”到来!? 業績好調なのになぜ
再就職は甘くない… 「雇用流動化」の現実
使われていたのは、労働移動支援助成金。
やむを得ず失業した人の転職を支えるために導入されました。
安倍首相
「成長産業へ失業なき、円滑な労働移動を図っていきます。」
3年前、国は労働者を、成熟産業から成長産業へとダイナミックに移動させる方針を決定しました。
その切り札として、この助成金の適用する範囲を拡大。
その結果、支給総額はそれまでの7倍以上に伸びていきました。
ところが、この助成金が退職者を生み出すような提案をしていた人材会社に流れ込んでいたのです。
国は今後、人材会社が社員の退職を企業に働きかけていた場合、助成金を支給しない方針です。
成長産業への橋渡しになるとされてきた、この助成金を使って実際に転職した人がいます。
大手メーカーを50代で退職した男性です。
前の職場では30年近く、営業や事務などを担当してきました。
人材会社を通じて、40社ほどに応募しましたが、面接にこぎ着けたのは僅か4社でした。
元 正社員の男性
「キャリアチェンジで考えたんですけど、われわれの世代のニーズは少なかった。」
再就職活動を始めて8か月。 決まったのは社員十数名の町工場。 給与は月25万円で、以前の半分になりました。
元 正社員の男性
「やはり賃金ですよね。
20〜30パーセントのダウンで覚悟してたんですが、実際は前の給料の半額以下の状況で、あまりにもギャップがあったのが、正直、今でも悔やまれます。」
国は、この助成金を使って転職した人たちの、その後を調査。
給与は平均で、7割程度に下がっていました。