これ超かんたん。
これを当てはめて計算すると、上位10%の(本当は1%の)金持ちの資産を没収して
年金や健康保険、生活保護などの社会保障費に充てれば、その全てがまかなえるのだ。
つまり、理論的には選挙で貧乏人が、例えば「相続税を100%にする!」
などという事を公約にしている政党を選べば、金持ちの資産をぶんどって社会保障に充てる事ができ、
現在の重苦しい、消費税増税や年老いてからの生活不安は消え去るはずに思えるだろう。
じゃあなぜメディアはそれを報じずに財務省が念仏のように繰り返す「消費税を増税しないと財政破綻」という文言を繰り返すのか?
だから、自分たちの致命傷になるような事には報道管制がかかる。
むかしのローマ帝国でも現在と同じように貧富の差が進み、治安が乱れ収拾が付かなくなかった事がある。
その時、地主の土地の所有に制限をつくり、ある程度以上の土地をひとりが独占する事ができなくなった事がある。
しかしその後ローマは領地を拡大し、地主が手にできる土地がどんどん増えていった。
土地が増えたのだから、貧困層にも恩恵があったかのように思えるが、実際には先述の法律は無視され
そして貧富の差はどんどん開いていって、また治安が悪くなってきた。
そういう時代に、平民を代表する護民官である、グラップス兄弟が、有名無実になっている、
土地所有の制限法をしっかりと履行するようにできる法案を通そうとした。
有名な話だから知っている人も多いと思うが、この改革が通ることはなかった。
過去の歴史において、暴力的な手段を使わずに、金持ちの資産を法によって公平に分配できた例はない。
現代は、ローマ時代より数千倍から数万倍の生産性があると言われる。
にもかかわらず貧困層の暮らしは相変わらず苦しく、この日本においても1日の生活費が100円以下になる人も存在する。
当時とは比較にならないほどの生産力があるのに、なぜだろうか?
派遣社員は工場で苦しい労働に従事しているが時給は800円前後だ。
もしなんでもできるロボットができたら、人間は労働から解放されるだろうか?
答えは否だ。
なぜならそのロボットを所有できるのは金持ちだけだからである。
おそらくそういう時代になった時、労働者は金持ちを気持ちよくする為の労働に従事しているだろう。
むかしの奴隷のように、金持ちが所有する豪邸の門を開けるだけの仕事などが復活するかもしれない。
さて上でも言及したジニ係数だが、これは本当は実態を表していない。
もし上位100人の資産を計算に組み込んでしまうと、ジニ係数はとんでもない事になり、暴動が起きる。
なぜなら彼らは全力を使ってそれを隠すからだ。100億円使えば1兆円が守られるなら、誰でもそうする。
資産を隠すためだけに100億円も使えば、そりゃ隠せる。
いまの日本でも相続税はかかる。ふつうに収めていたら親が金持ちでも、その子供まで金持ちにはなれない。
にもかかわらず、多くの古くからある名家はつぶれる兆しが全くない。
鳩山元首相も親から当たり前のように月に数百万円をもらっていた。
そんな事がなぜできるのかというと、彼らは全力を使って脱税しているからだ。
元首相は資産が沢山ありすぎて、かつ政敵からの攻撃により一部を隠すのに失敗した、というだけだ。
最近話題になったパナマ文書やタックスヘイブンを覚えている人も多いだろう。
あれだけ話題になったのだから、もう解決してるんじゃないか?とか
日本は他の国に比べてタックスヘイブンへの対策が進んでいるから問題ない、という完全なデマをメディアを通して流すことで
なんとなくうやむやになって大衆が興味を失うのを待っているのが今の状態だ。
さて、冒頭でも触れたが、本当に相続税を100%にしたら社会保障は大丈夫なのだろうか?
もし本当にそういう法案が可決されたらどうなるだろうか?
おそらく大富豪は脱税が成功して、その富を維持し続けることができるだろう。
なぜ大富豪はどうぜ脱税できるのに相続税100%という手段がある事を隠したがるのだろうか?
それは、もし相続税が100%になっているのに、なぜか金持ちの子供たちがそのまま金持ちのままでいると不自然になってしまうからだ。
いちいち事業で成功してるんですよ、というポーズを示す必要が出てきてしまう。
私企業で決算を開示する必要がなくても、さすがに不自然だろう。
かと言って貧乏な振りはできない。なぜなら、貧乏な振りをする事そのものが耐えられないからだ。
生活がじゅうぶんにできる以上の莫大な富がなぜ欲しいのか、というと、それは他人と比較して優越感に浸りたいからだ。
それができないとなると本末転倒なので、貧乏な振りなんて絶対に不可能だ。
だから相続税100%になると、脱税できるのは当然だが、それ以外の部分で何かと不都合なことが増えてしまう。
歴史から学べば貧富の差というのは暴力なしに絶対に是正することができないものだ。
おそらく悟り世代と言われる俺たちのフ抜けた世代では暴力による革命などは絶対に起こせないだろう。
せめて形だけでも相続税100%という法案を通して、法の力では格差は是正できないんだよ、という事が誰の目にも明らかになる状態にはなって欲しいと願う。