写真付き警告表示をたばこに表示している国が年々増加し、2013年には63か国にもなる。それに比べて日本は・・・
※記事内にはグロテスクな警告パッケージ画像を引用表示していますのでご注意ください。
FCTCの取り組み
まずは世界中のたばこパッケージ警告表示への取り組みについて端的に記載したい。
2008年、南アフリカ共和国のダーバンでFCTC*1第3回締約国会議(COP3)開催、「タバコ製品のパッケージと包装」を規制する第十一条ガイドラインが決定。
http://www.nosmoke55.jp/data/cop3_11_200811.pdf
「警告表示は主要面積50%以上を用い、30%以下にしてはならない」「批准して3年以内に実行に移す義務あり」
FCTC加盟国は十一条ガイドラインを重くみて、たばこのパッケージに関して試行錯誤を始める。
これ以前、2000年6月にいちはやく取り入れたのがカナダ政府。ブラジルが2002年、シンガポールが2004年、2005年にはタイ・ベネズエラ・ヨルダン、2006年にはオーストラリア・ウルグアイ・パナマ・ベルギー・チリと広がる。
警告表示面積の広さにおけるランキング
- オーストラリア 75%
- ウルグアイ 80%
- スリランカ 80%
- ブルネイ 75%
- カナダ 75%
- モーリシャス 65%
- メキシコ 65%
- エクアドル 60%
- ニュージーランド 60%
- クックアイランド 60%
※平均値、全て写真表示あり
ちなみに日本は警告表示面積が30%以下で写真なし
日本、何してるの...
- 2012年1月よりオーストラリアで警告表示プレーンパッケージが義務付け
- フリップモリスや日本たばこ産業が「表現の自由の侵害だ」と訴訟
- オーストラリア最高裁「健康重要視する」→却下
こんなことやってたわ、我が国は。
明らかに健康に悪いものを売る際に警告表示を義務付けることが「表現の自由の侵害」ととらえるのは、おかしいだろ。他人の健康を害する自由は許されるのかと問いたい。
前述のとおり、日本で販売されているたばこには警告表示があるものの、写真付きではなくしかも面積が30%以下とつつましい。世界中がCOP3を鑑みて動いている中で、悪あがきをしているようですね。でも、それも時間の問題かも。
参考書籍:『喫煙学 改定3版』252p~254p
世界の警告パッケージ(一例)
きついものにはモザイクを入れた。
オーストラリア
アメリカ
ブラジル
イラン
オーストラリアよりブラジルやイランのほうがずっとエグかった。ホラー映画のパッケージより酷い。これくらいやらないと喫煙は減らないので良いのではないかな。とても子供に見せられるものでもない・・・
Health Warnings | Tobacco Labelling Regulations
画像引用はこちらのサイトから。
所感
世界中のたばこ警告パッケージを見たけど、完全にホラーを通り越してる。これはあまりにもキツすぎるんじゃないかとも感じるけど、これくらいやらねば喫煙者が減らないのであれば、断行すべきだろう。
何よりも世界がたばこの撲滅について確実に動き出しているわけだし、グローバルな視点からも日本は村を徐々に縮小して、脱たばこ化へ向けて前進するべきじゃないか。
それにしても、パッケージに警告表示をすることが喫煙者の減少に貢献するとは思ってなかったな。『禁煙セラピー』でアレンカーが「恐怖の画像は喫煙を余計に駆り立てるので逆効果」って言ってたけれども、実際の効果はいかほどなのか。追跡調査による喫煙率の変化にも非常に興味がある!
*1:たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約